「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【専制主義】ロシアに中国、世論を二分してまで押し通した首相と何が違うのか

 

 権力への執着なのでしょうか、プーチン大統領ウクライナの東部と南部の4つの州をロシアに併合する文書に調印すると発表したといいます。

 特定の個人、あるいは一政党、軍部などの幹部からなる小集団が、自分たちの意志にのみ基づき政治を支配することを専制主義と呼びます。国際社会の非難の声を無視する今のロシアそうした状態なのでしょうか。

 中国もまた同じ状態といえるのでしょうか。習主席がこれまで慣例を破って、3期目を目指しているといいます。国際社会が示す懸念をよそに、3期目への執着が見て取れる政策を続けています。

 

 

 国葬実施後、政府と政権与党の自民党が混乱しているように見えます。

 割れた世論を鎮めたいのでしょうか。茂木幹事長は「次世代のために奮闘されたリーダーにふさわしい葬儀だった」と述べたといいます。元首相の功績が薄れる中で、国葬支持が多いといわれる若者を意識した発言なのでしょうか。一方で、「国葬」や旧統一教会の問題で、国会は大変、波が高いことが予想されると発言する議員もいるようです。

 臨時国会が10月3日から始まります。この国葬問題を含め、しっかり論戦し、法の支配、議会主義という姿勢を示して欲しいものです。  

 

 元首相がこれまでの通例を破って、自民党総裁を3期目務め、それによって憲政史上最長が達成されました。野党を罵倒し、国会を軽視するようになった期間であったように感じます。

 そして、現政権もまた、野党ばかりでなく、国民の声を無視して、色々口実をつけては好きなように振舞っているようにも見えます。

 専制主義に見える他国を「法の支配」を武器に批判しますが、「法の支配」が国内で揺らいでいないかと危惧します。専制主義の境界が曖昧のような気もします。

アベノミクス

アベノミクスの下で日銀の金融政策に過度の負担がかかった」と、日本銀行前副総裁の中曽宏氏が指摘したそうです。中曽氏は次期日銀総裁の有力候補の一人とみられているといいます。

日銀はデフレ脱却で相応の役割以上を実行-中曽前副総裁 - Bloomberg

 ブルームバーグによると、中曽宏氏は「デフレ脱却の取り組みで日銀が相応の役割以上のことを行い、アベノミクスの運営では日銀に依存し過ぎた」との認識を示したといいます。これまで続けてきた金融緩和の後始末がたいへんということでもあるのでしょうか。

 個人に権力が集中すれば、その影響力は絶大となり、それを諫める者もいなくなるのでしょう。その個人が亡くなり、影響力が薄まっていくにつれ、野に逃れていた賢人たちが口を開くことになっていくのでしょう。

 

 

 海外メディアで、国葬についての報道が相次ぎ、世論が二分されていると指摘しているといいます。

 AP通信は「国葬をめぐって、なぜ日本が分裂しているのか」との見出しの記事を配信し、「与党が超保守的な旧統一教会と癒着していることが、葬儀への反対を大きくしている」と報道しているといいます。

「国葬めぐり、なぜ日本が分裂?」 海外メディアが相次ぎ報道 [国葬]:朝日新聞デジタル

 スウェーデンの国営放送でも取り上げられ、また、ニューヨークタイムズは「国葬をめぐり反発に直面する日本」と題する記事で、「国民の怒りは(安倍氏銃撃の)犯人や警備体制ではなく、自民党に向かった」と説明、国葬への賛否が「安倍政権を評価する『国民投票』になっている」と論じていそうです。

「世論分断」「旧統一教会」に焦点 安倍氏国葬めぐり海外メディア:時事ドットコム

カナダ公共放送CBCは、安倍氏の生前の功績やスキャンダルに触れながら、旧統一教会との関係が論争となり、岸田内閣の支持率が落ち込んでいると報じた。(出所:JIJI.com)

 当事者ではない海外の報道は客観的意見ということなのでしょう。海外要人たちがこうした状況下で行われる国葬を避けようとするのもわかるような気がします。国際的な孤立ではないにしても、好ましい状況ではないのかもしれません。

 

 

論語に学ぶ

君子重からざれば、則ち威あらず。学びても則ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とする無かれ。過ちては則ち改むるに憚ること勿れ。 (「学而第一」8)

 人民にあなどられないよう上に立つ者は、重々しい態度をしていなければ威厳がたもてない、それでは考えが固定して融通がきかない。学問をしなければならない。「忠」まごころと「信」嘘をつかないことを主とし、自分と異なり、まごころの足りない者を友人とするな。過ちをおかしたならば、素直に改心して改めるべきである。こだわってはならない」と意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 悪い友人を選んだことに気づいたなら、遠慮なく絶交せよとの解釈もあるといいます。

 これが、海外要人たちが来日しなかった理由になったりするのでしょうか。

 まともな政治ができる国になって欲しいものです。専制主義のような振る舞いは即座に止めてもらいものです。まずは国会で論議尽くすことからでしょうか。功罪を明らかに、正すものは正さない限り、信頼の回復はないのでしょう。国民を騙すような行為は絶対に許されないのですから。

 

「参考文書」

プーチン大統領 “ロシアが4州を併合” 30日に文書に調印へ | NHK | ウクライナ情勢

予備役逃れ殺到、国境封鎖できず 招集令状撤回の動きも―ロシア:時事ドットコム

臨時国会“物価高騰議論必要” “厳しい運営に” 自民派閥会合 | NHK | 物価高騰