「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

官僚たちから無駄口との揶揄、それでも変わらない、変えられない

 防衛省が示した2024年度予算の概算要求が膨れ上がっているそうです。政府が決定した反撃能力(敵基地攻撃能力)に使える米国製巡航ミサイル「トマホーク」を搭載する新型イージス艦 2隻の建造を計画しているようです。その費用は関連費を含めて、4900億円になるそうです。

新型イージス、導入コスト膨張 9000億円、トマホークも搭載―「浮かぶ要塞」・防衛省概算要求:時事ドットコム

 決定済事項なのでしょうが、ほんとうに必要なものでなのでしょうか。巨費を投じて装備したところで、今ある問題が解決するとは思えません。ただ軍備が増強されたという現実が残りそうな気がします。遠い異国での終わらない紛争という現実から何も学んでいないようです。

 

 

 政府は「先送りできない課題に答えを出す」といって様々な政策を積極果敢に実行しようとしますが、そのたびに問題を起こしては「失言」を繰り返しているに見えます。

 そんな政府に官僚の間では太平洋戦争中のインパール作戦を指揮した牟田口廉也中将を引き合いに出して「無駄口内閣」との揶揄が出始めているといいます。

「無駄口内閣」と批判も 岸田内閣閣僚発言が物議 | カナロコ by 神奈川新聞

 官僚の揶揄は的を得ているような気もします。まるで戦時中の思考のままという含みもあるのでしょうか。

 それでも瓦解もせずに、政権を担えるのが不思議もありますが、それが政権与党の強みといっていいのかもしれません。

野合

 国民民主党代表選が行われ、玉木代表が再選を決めました。

 実現したい政策を明確に掲げ、そのためには与党との連携も辞さないとする玉木氏と、野党連携で政権交代をめざすとした前原氏の争いで、野党のあるべき姿が問われた代表選といわれていたようです。

 これでは、巨大化した強靭な与党に対抗するのも難しいのではないでしょうか。協力もなく実行力の乏しい野党のままになってしまいそうな気がします。

「野党まとまらないと巨大与党に太刀打ちできない」 中林美恵子教授 [国民]:朝日新聞デジタル

民主党政権時に、意見が真っ二つに割れた消費増税への対応や、「あいつは嫌い」「信用できない」などといった人間関係のトラブルで、党がガタガタするのを目の当たりにした。自公政権はいろいろな意見の相違があるにもかかわらず「野合」し、政権を維持している。野党もそうした姿勢を見習う必要がある。(出所:朝日新聞

 連立政権を組む自公は「野合」し協力し、一方で野党は野合もできず協力なしに三々五々のままになりそうです。その違いは何なのでしょうか。

 

 

論語に学ぶ

有子曰く、その人と為りや孝弟にして、上を犯すを好む者は鮮(すく)なし。上を犯すを好まずして、乱を作(な)すを好む者は、未だ之れ有らざるなり。君子は本を務む。本立ちて道生ず。孝弟は其れ仁の本為るか。  (「学而第一」2)

 孝悌を知り、家族を大切にする人で、上位者に逆らう者は少ない。上位者に逆らうことを好まないで、反逆、叛乱をしたがるというようなことは見たことがない。君子 教養人は、根本について努力する。根本が確立すれば、道が自ずと生じる。孝悌、家族を大切にすることが、「仁」すなわち人間愛という生き方の根本と意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 こうした言葉からすれば、野党の人たちの中に規範意識が欠け、時のリーダーを支えようとせずに、自身の主張ばかりする人がいるということなのでしょうか。リーダーが極端になったり、人の道を外れるようであれば、当然諫める必要はあるのですが、それと混同し、まとまりを失わせているのかもしれません。

 一方、与党は、時のリーダーを支えるという最低限のモラルは保たれているのでしょう。ただリーダーが極端に走り、人の道を外してもそれを諫めるとする意識はないのでしょうが。

 

 

モラル回復

 世間を騒がせた宗教法人に対して、政府が10月中旬に解散命令を東京地裁に請求する方向で調整に入ったそうです。

旧統一教会への解散命令、請求の方針 10月中旬で調整 過料も検討:朝日新聞デジタル

 だいぶ時間を要していましたが、ようやく重い腰をあげたというところでしょうか。もう少し早くアクションして欲しかったものです。極端で、人の道を大きく逸脱したものを延命させ続けていたようなものなのですから。

 まだ根絶するまでは長い時間を要するのでしょうが、これを機会にして、政治の世界においてモラルが回復させることにつなげて欲しいものです。