また南海上に台風が発生し、北上を始めたようです。梅雨前線を刺激し、先日に続いて大雨になる懸念があるといいます。少々心配になりますが、今すぐに効果が期待できる根本対策はなく、大雨情報を早めに察して、起こる事象に適応していくしか手がありません。
気候変動対策や感染症対策など地球規模の問題が頻発するようになり、国際的な協力で解決していくことが求められています。しかし、利害対立ばかりで、世界が一致協力して解決することが難しくなっています。残念なことです。
政治が対立を助長するのでなく、もっと共通善を探求できるようになれば、世の中がもう少し落ち着くようになるような気がします。
それにしてもと思うことが多過ぎるような気がします。
世の中を驚かせているジャニーズ問題もその一つの例なのかもしれません。性被害を訴える元所属タレントが「子ども守る法改正必要」と法整備を求め、約3万9000筆の署名を携え、国会内の各党控室を回ったといいます。
ジャニーズ問題、法整備見えず 与野党そろわぬ足並み:時事ドットコム
これを受けて、立憲民主党は児童虐待防止法の改正を呼び掛けているそうですが、自民、公明両党は慎重姿勢を崩さず、国会会期末までの法整備は見通せなくなっているといいます。
記事によれば、与党は、立民による協議の呼び掛けに今も応じず、自民幹部は「野党主導の議論には乗りづらい」と言及し、署名を受け取った日本維新の会の馬場代表は「勇み足になれば逆に悪い影響が広がる」として、拙速な議論は避けるべきだと指摘したといいます。なんだかなぁと感じてしまいます。再発防止どころではなさそうです。
マイナンバーカードでのトラブル、入管施設や刑務所などにおける非人道的な行為など、国の問題が次々と明るみになり、その改善が求められるはずなのに、その方策がなかなかクリアになりません。
性的少数者への理解増進を目的とする議員立法「LGBT理解増進法案」も同様ではないでしょうか。
LGBT法案、9日審議入り 自民は与党案採決の構え 成立の公算 | 毎日新聞
いつまでこんな状況が続くのでしょうか。
論語に学ぶ
知 之に及ぶも、仁 之を守る能(あた)わざれば、之を得ると雖(いえど)も、必ず之を失う。知 之に及び、仁 能(よ)く之を守るも、荘(そう)以て之に莅(のぞ)まざれば、則ち民 敬せず。知 之に及び、仁能く之を守り、荘以て之に莅めども、之を動かすに礼を以てせざれば、未だ善(よ)からざるなり。(「衛霊公第十五」33)
知識、学問が十分であっても、「仁」を守ることができなければ、たとい地位を得たとしても、きっと失うだろう。知識、学問があり、「仁」があっても、おごそかな態度で接しなければ、人々は敬意を払わない。知識、学問、道徳、おごそかな態度がそろっていても、人々に仕事をさせるとき、人間として遇する礼をもってしなければ、まだ善しとすることはできないと意味します。
こうした古語にふれて、現在の政治を見ると何が欠けているかがわかるような気がします。最初の一文からして、ダメではないでしょうか。
「仁」、他人に対する親愛の情、優しさなどを意味する言葉です。自他のへだてをおかず、一切のものに対して示す、親しみ、慈しみ、情け深く、思いやりの心といいます。
こうした心もないのに、地位を守ることに汲々とするから、さらに「仁」が軽んじられるのでしょう。そうなってしまうと、地位を守るためには何でも平気でできてしまうのかもしれません。
「参考文書」