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「もう限界」行き詰まる国立大、「お金かかりすぎる」子育て支援、骨抜きになる改革

「もう限界」、国立大の財務状況について、国立大学協会の永田会長がそう表現したといいます。「弱音を吐いているが、本当に厳しいという状況を伝えたい」と説明したそうです。

国立大の財務状況「もう限界です」 国大協が異例の声明 | 毎日新聞

国立大の財政を支える国からの運営費交付金の削減に加え、物価高騰などで実質的に予算が目減りし続けていると指摘。寄付金など外部資金も含め収入を増やす努力をしているとした上で「しかし、もう限界です」と強調した。(出所:毎日新聞

「限界」を設けてしまえば、改革が途絶えてしまいます。本来、限界を打ち破るために改革が求められるはずなのですが。しかし、手足を縛られては改革もままにならず、限界もあるといいたいのでしょうか。

 

 

 この大学の訴えをどう受け止めるべきなのでしょうか。大学の窮状は教育の質の低下、学術研究の低下につながりかねません。それに加え、学費まで値上げとなれば、「お金がかかりすぎる」子育てにも影響しそうです。

瀬戸際の少子化対策 「お金かかりすぎる」不安拭って 識者に聞く(3) みらい子育て全国ネットワークの天野妙代表 - 日本経済新聞

少子化」、合計特殊出生率は下がる一方で、東京都では1を割り込み0.99になる危機的な状況です。「次元の異なる少子化対策」、少子化の進行を食い止めるためと首相はいって、3.6兆円規模の対策を打ち出し、子育て支援金を新たに創設しました。

 しかし、この子育て支援金自体もおかしなことになっていそうです。企業で働く従業員と事業主がそれを負担しなければなりません。

健康保険はもう限界 少子化対策で「都合のいい財布」に:日経ビジネス電子版

 「国民皆保険制度が崩壊する契機になりかねない」、ある健康保険組合の幹部はそうつぶやいたそうです。

 健保組合も危機感を募らせているといいます。健保組合の財政の悪化に拍車がかかり、「保険料率の引き上げに動く組合が増えている」と語る健保連関係者もいるそうです。最終的には従業員の手取りがさらに減少することは避けられないということでしょうか。改善、改革に限界を作るべきではないのですが、要求が過剰になれば、さすがに無理が生じて合理的な実行が難しくなってしまいます。

 国の政策が矛盾だらけといってよさそうです。これでは不安解消どころか、ますます助長していくようなものです。

 

 

国のたんす預金

 税金や国債などを積み立てて中長期的な政策を進める国の基金を巡って、残高約17兆4000億円のうち、少なくとも約7兆4000億円は国庫返納の必要があるとする試算を衆院調査局がまとめたそうです。

「7兆4000億円は国庫に返納すべき」ずさんな国の基金を衆院で試算 政府の見直しでは5466億円、再点検が急務:東京新聞 TOKYO Web

 7兆円ものお金を埋没させていることにただ驚くばかりです。こうして見つかるムダを優先的に子育て支援に回すことは出来ないのでしょうか。まったくもって不思議なことです。

 国の基金については、予算の単年度主義の弊害を避けるために設けられたとものだといいます。しかし、国会のチェックが行き届きにくく、無駄遣いや必要以上にため込む問題も相次いでおり、「埋蔵金」「たんす預金」などと批判されているといいます。

 政権を担う与党の性癖がそのまま国政においても反映されているといっても過言ではないような気がします。政治改革が求められています。しかし、ムジナ3兄弟によって骨抜きにされそうです。

 

禍根を残すような....

 自民党の麻生副総裁が福岡で開かれた自民党の県連大会で、政治資金規正法の改正案について「政治活動の基盤を維持するために一定の政治資金が必要なのは言うまでもない。国会議員を目指す多くの若者が資金を確保できずに断念することは甚だ残念で、支援の道を閉ざすのはいかがなものか。政治資金の透明性の向上を図るのは当然だが、同時に将来に禍根を残すような改革は断固避けなければならない」と述べたうえで、そうしたことについて有権者に理解を求め結果を出すことが重要だとの認識を示したそうです。

麻生副総裁 政治資金規正法の改正「法案成立させる一方 禍根残す改革避ける」と強調 | NHK | 政治資金

 理想を追求することなく、いい加減な理由をこじつけて安易に限界を設け、改革を阻むことは断じて許されるものではありません。

 また、「日本の政治が安定していることが、世界の中でもっとも誇りに思うことの一つだと思っております」とも語ったといいます。こんなことをぬけぬけと語れるものです。多くの国民が疲弊し、日本という国は衰退しているといわています。

 

 

論語に学ぶ

知 之に及ぶも、仁 之を守る能(あた)わざれば、之を得ると雖(いえど)も、必ず之を失う。知 之に及び、仁 能(よ)く之を守るも、荘(そう)以て之に莅(のぞ)まざれば、則ち民 敬せず。知 之に及び、仁能く之を守り、荘以て之に莅めども、之を動かすに礼を以てせざれば、未だ善(よ)からざるなり。(「衛霊公第十五」33)

 知識、学問が十分であっても、「仁」人の道を守ることができなければ、たとい地位を得たとしても、きっと失うだろう。知識、学問があり、仁であっても、どっしりとした態度で接しなければ、人々は敬意を払わない。知識、学問、仁、厳かな態度がそろっていても、人々に仕事をさせるとき、人間として遇する礼儀をもってしなければ、まだ善しとすることはできないと、孔子はいいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 自民党の長野県連幹事長の西沢正隆県議が岸田首相の退陣を求めそうです。「党執行部の顔触れを一新してほしい」と福岡参院政審会長に迫ったといいます。

自民・長野県連、首相退陣要求 「執行部の顔触れ一新を」:東京新聞 TOKYO Web

「誰も責任を取らない組織の在り方は、いかがなものか」、地方組織も声を上げ始めているようです。末期的な症状のようです。自業自得なのでしょう。

 政権交代があって適度に改革が進むようになれば、結構すんなり日本復活もあるのかもしれません。自民党が日本の限界を生み出していそうな気がします。

 

 

「参考文書」

河野太郎氏「カネ余り7兆円」を国庫返納させる考えなし 国の基金残高 理由は「次に金が必要になった時…」:東京新聞 TOKYO Web