戦時中の反省から戦後成立した放送法。その解釈を巡っては、自民党政権下で、幾度となく手が加えられていたといいます。
この放送法について、国会での論戦が繰り返されています。野党は法律の解釈が圧力でゆがめられてはならないと正したのに対し、首相は、政策決定にあたって国民の疑念を招くことがないよう、引き続き適切に取り組むとの考えを示したといいます。
参院予算委 放送法 政治的公平 首相“疑念招かぬよう適切に” | NHK | 来年度予算案
記事によれば、立憲民主党は、安倍政権当時、放送法が定める「政治的公平」の解釈に関するの総務省の行政文書について「元総理大臣補佐官が官邸の立場で圧力をかけたことが明らかになったとお認めになったほうがいい」と求めたのに対し、首相は「やり取りがあったのはそのとおりだが、解釈については、所管する総務省が責任を持って行ったと理解している」、その上で「政策決定にあたって国民の疑念を招くことがないよう、引き続き今の内閣において適切に取り組んでいきたい」述べたといいます。
自主自律
一方、日本テレビの石沢長が定例記者会見で、放送法の「政治的公平」の解釈に関する総務省の行政文書について「これまで通り放送法を順守し、自主自律に基づく放送姿勢を貫いていくことに尽きる」と述べたといいます。
石沢社長は「(文書への)評価などのコメントは控える」とした上で「国民の知る権利に応える不断の努力をしていく。視聴者がどう感じるかを受け止め、放送局の責任で公平性を追求していく」と強調した。(出所:共同通信)
今後、放送内容に変化はあるのでしょうか。また、政権批判するキャスターが突如姿を消すようなことがなくなればいいのではないでしょうか。
論語に学ぶ
子路(しろ) 成人を問う。子曰わく、臧武仲(ぞうぶちゅう)の知、公綽(こうしゃく)の不欲、卞荘子(べんそうし)の勇、冉求(ぜんきゅう)の芸の若(ごと) き、之を文(かざ)るに礼楽を以てせば、亦(また)以て成人と為す可し。曰わく、今の成人は、何ぞ必ずしも然(しか)らん。利を見て義を思い、危うきを見ては命を授け、久要(きゅうよう) 平生(へいせい)の言を忘れざれば、亦以て成人と為すべし、と。(「憲問第十四」12)
弟子の子路が人格者とはと質問しました。孔子は「臧武仲の智謀、孟公綽の無欲、卞荘子の勇猛、冉求の才芸、そのどれかがあった上で、さらにその行き過ぎを「礼」規範、規律で整合し、その偏りを「楽」で和合するようになれば、人格者と言える」と答えました。また「しかし、今日の人格者は、そこまでに及ばなくとも構わない。「利」を前にしても道義を考え、危機のときには命を授け、過去の約束をいつまでも忘れない。そのようであれば、同じく人格者と言うことができる」ともいいました。
多彩な政治家を揃えたところで、人格者がいなければ、危機にあっても自分の「利」を優先し、守らなければないならないことでもあっても平気で違えることもできるのでしょう。それがこれまでも日本であったような気がします。国民が苦しい思いをし、国が衰退していくのも当然なことだったのでしょう。
パクり
4月の統一地方選挙を前に、各政党が国会で主張を強め、票固めに繋げたいのでしょうか。因循姑息とも思えるようなことも起きているようです。
公立小中学校の給食費 自民党が無償化提言へ「こどもまんなかを全国に」 野党からは「アイデアをパクる」との声も(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
記事は、統一地方選を控えて野党としては、自民党にいわば“お株”を奪われた格好と指摘し、「自民党は選挙前になると平気で野党のアイデアをパクるし、カネをばらまく。それで与党の手柄だ」と話すの野党の声を紹介します。
また、首相はこれまで全国一律での無償化には慎重だったといいます。どんな対応を取り、どう説明するのでしょうか。そこから首相の人格が明らかになるのでしょう。
「参考文書」
2016年3月11日 「歴史修正主義」に抗するために ~放送と公権力の関係についての私見③~ | MESSAGE | KORE-EDA.com
給食費無償化、住宅支援を明記 自民、少子化対策で提言―財源踏み込まず:時事ドットコム