大谷選手の活躍に目を見張ります。度肝を抜く2打席連続のホームランは圧巻でした。WBCへの期待が大きく膨らみます。
一方で、世間を揺るがす陰鬱なニュースが相次いでいます。
新型主力ロケット「H3」と地球観測衛星
「H3」新型主力ロケットの初号機の打ち上げが失敗に終わりました。ロケットは爆破され、フィリンピンの東方沖に落下したといいます。
日本の「H3」ロケット、打ち上げ失敗 指令破壊 - BBCニュース
宇宙開発の領域では、イーロン・マスク氏の「スペースX」社が先行しています。今回の失敗は日本にとって大きな挫折とBBCは指摘します。
このロケットで軌道に投入される予定だった地球観測衛星「ALOS-3(だいち3号)」は、北朝鮮のミサイル発射を検知することが可能だったといいます。
永岡文部科学相は、「国民の皆さま、関係者の皆さまの期待に沿えないことを申し訳なく思う」と述べたそうです。
先行される国々との距離が開き、またあとから追ってくる国々にも追い抜かれそうな危機的な状況ではないでしょうか。
陰鬱なニュース
日本のアイドル文化を作り上げた立役者だったジャニー喜多川氏、その闇をBBCが報じています。
加害が明るみに……それでも崇拝され 日本ポップス界の「捕食者」 - BBCニュース
著名な国際政治学者の夫が、太陽光発電の事業資金計4億2000万円を横領したとして、業務上横領容疑で逮捕されました。
容疑者は、投資会社「トライベイキャピタル」代表の三浦氏、外務省や外資系大手コンサルタント会社などを経て、トライベイ社を設立したといいます。今後の捜査の行方が気になります。
楽天モバイルでも携帯電話基地局整備を巡って、業務委託費を水増し請求し、多額な資金をだまし取ったとして、逮捕者を出しています。
基地局整備の遅れで楽天モバイルを行政指導していた総務省も、放送法を巡って渦中に巻き込まれています。
不正確な行政文書
立憲の小西議員が取り上げた放送法を巡る総務省の文書を、「全て総務省の行政文書だ」と松本総務相が明らかにしました。ただ「文書の一部は記載内容の正確性などが確認できないものがある」とも話しています。
松本総務相「行政文書」と認める 放送法解釈の内部文書 - 日本経済新聞
一方、当時の総務相で、この文書に記載のある高市経済安全保障相は、「私に関する4枚の文書は内容が不正確だと確信をもっている」と述べたそうです。
捏造発言から一転、「不正確」との表現に変わったことが気になります。
現総務相が内部文書として認め、当時の総務相は「内容が不正確」といいます。官僚たちはこんなに愚かな仕事しかできないのでしょうか。内部告発の可能性を含め、ことの真相を究明しなければならないのでしょう。
一方で、ある専門家は、「政治の権威主義化は、一般的に非多数派機関人事の党派化、選挙制度の改変などに加えてメディアへの圧力という手法を取るのが共通項」といいます。ある時期から日本の政治が右傾化していったことなのでしょうか。
論語に学ぶ
苟(いやし)くも其の身を正しくせば、政に従うに於いて何か有らん。其の身を正しくする能(あた)わずして、人を正すを如何せん。(「子路第十三」13)
もし為政者自分自身を正しくしたならば、行政はたやすいものだ。自分自身を正しくすることができないで、人々をどのようにして正そうとするのかと意味します。
考えさせられる孔子の言葉です。
もし指導者、政治家、そして企業経営者が「正しさ」を追求していたなら、陰鬱なニュースにまみれる社会になることはなかったのかもしれません。
国会欠席
参議院議員に当選後、国会を欠席し続けるガーシー議員が、参院によって科せられた懲罰処分「議場での陳謝」が予定された本会議を欠席しました。
ガーシー氏、参院本会議を欠席 謝罪動画が認められず「除名」へ:朝日新聞デジタル
これを受け、議員の資格を失う「除名」処分となる可能性が高まっているそうです。
ガーシー議員が陳謝文を読み上げる動画を、事前に参院に提出したそうですが、返却されたといいます。
記事によれば、10日の懲罰委でガーシー氏側の弁明の場を設けたうえ除名の処分を決める方向で与野党が調整に入ったといいます。
遵法精神もなく、規範意識も欠如、それが今の日本なのでしょうか。
もしかしたら秩序が崩壊していくのは時間の問題なのかもしれません。それは少しずつ現実化していくのではないでしょうか。今報じられている様々な陰鬱なニュースがその現れなのでしょう。救いようのない状態を避けるための行動が求められているのでしょう。
「参考文書」
「過去に聞いたことない」専門家も驚き H3ロケット打ち上げ失敗 | 毎日新聞
太陽光投資会社代表を逮捕 4億円余横領容疑―東京地検:時事ドットコム
無理な事業の進め方が背景に? 楽天モバイル元部長ら逮捕 業務委託で水増し、25億円詐取疑い:東京新聞 TOKYO Web