報道の自由がなかったり、言論弾圧があったり、統制されることの危険性を、遠い異国での戦争で知りました。言論の自由が奪われ、監視されることがあってはならないはずです。
総務省が行政文書とした認めた放送法を巡る文書に対し、高市大臣が「捏造だ」と息巻く姿に違和感を覚えます。この問題はどのような結末になるのでしょうか。
「安倍官邸の圧力」鮮明 野党、解釈撤回求め攻勢―放送法文書、岸田政権「過去の話」:時事ドットコム
岸田政権は「内容が事実かどうか分からない」との論法で乗り切る構え。高市氏は8日の参院予算委で、少なくとも自身が登場する文書は「捏造(ねつぞう)だ」と明言。首相周辺は「安倍政権の話だ」と語った。(出所:JIJI.com)
一方、野党は、「一つの番組を理由に停波できる解釈」は現政権も継承するとし、「報道の自由に関わる重大な問題だ」と徹底追及する方針で、高市大臣ら当時の関係者に説明責任を果たすよう求めていくそうです。
悪魔の証明
報道機関のそれぞれがそれぞれに反応しているようです。また論客たちもそれぞれの立場で意見し、政権よりの人たちの中には論点を変えるかのように、なぜ内部文書が漏洩したのかとか、その犯人捜しを始めているようです。
高市早苗氏は総務省の内部文書を「捏造」と断言 その根拠は? 立証責任は追及側にあるのか?:東京新聞 TOKYO Web
積極的に疑念を晴らそうとせず、文書の真偽の証明を追及側に求めるのは、自らの説明責任を棚に上げているように映る。高市氏の後ろ盾だった安倍氏がかつて森友・加計学園問題などで「悪魔の証明」という表現を多用し、野党議員の追及に「本当のことかどうかと分からないものを立証する責任はそちらにある」と反論していた姿に重なる。(出所:東京新聞)
いずれにせよ、広い視点で物事を捉え、自由闊達に話し合い、「報道の自由」が守られればいいのではないでしょうか。メディアも危機感をもって報道して欲しいものです。
論語に学ぶ
君子は上達(じょうたつ)し、小人は下達(かたつ)す。(「憲問第十四」23)
君子 教養人は、修養し向上に努めるのだから根本や全体がわかるようになる。小人 教養を知ることのない知識人は、財産や利益などの私欲に走り、堕落するから、日々下落して止まることがなく、末端や部分しか知ることはないと意味します。
過去のこととして終わらせてよいのでしょうか。その対応を見ると、やはり疑問を感じます。一国の政府、そしてそれに属する構成する閣僚としての姿勢が問われているように思えてなりません。
このままでは、日本の下落、堕落が止まらなくなり、国際社会から批判されている国のようになっていくのかもしれません。
「参考文書」
(社説)高市元総務相 国の基盤 揺るがす暴言:朝日新聞デジタル
高市早苗氏「正規なものならびっくりする」…放送法文書巡り辞任要求を拒否 : 読売新聞