「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

異論の封じ込め、同調圧力、今の日本に必要なこと

 

「必勝しゃもじ」に続いて今度はG7まんじゅうのお土産で、岸田首相が国会で追及されたそうです。

 首相の後援会が広島市で開いた政治資金パーティーで、5月に開催されるG7広島サミットのロゴマーク入りのペンとまんじゅうを出席者にお土産として配っていたといいます。

岸田首相パーティーでG7ロゴ入り土産 立民「不適切」、政府「機運醸成」:時事ドットコム

「サミットの機運醸成」が狙いと政府は説明、理解を求めたといいますが、野党は外務省のロゴ使用承認条件に反していると正したそうです。

 相も変わらずの低品位な論戦が繰り返されているようです。

必要なもの

「国際競争力の低下を続ける日本に必要なもの」、気になる言葉です。

欧州最高の"知の巨人"が語る「日本復活への3条件」 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

「知の巨人」といわれるフランスの経済学者ジャック・アタリ氏が、物事が急速に変化している現代では、皆、生涯学び続けることになるといいます。

 特に、「若い人たちは、異なる種類の価値に基づいて学ばなければならないでしょう。」といいます。

 人間への「教育」が求められ、内容よりも価値観を学ぶことが大切とし、「人は非暴力的であるべきだ」という価値観を学ばなければならないといいます。その上で、暴力を避ける方法を教える学校を見たことはないとし、これは将来において間違いなく根本的に重要なことと指摘します。

教育こそが未来の鍵であり、新しいテクノロジーの最良の部分を使うことで、メディアや教育を含めた世界全体が大きく変わり、私たちは勝利することができる。(出所:東洋経済オンライン)

 また、アタリ氏は、遅れが指摘される日本のデジタルについて、その挽回のためには、研究に資金を投じ、若者の創造性を育む必要性を説きます。そして、最も大切なのは、大勢順応を称えるのではなく、異論を称え、前例のないことに挑戦することを称えるべきといいます。

 しかし、日本社会は、いまだルールに従って振る舞うよう暗黙に求められています。

変えられた法解釈

 国会では放送法を巡る論議が続いています。総務省の行政文書からは、政権や自民党が「政治的公平」を含む放送法4条を理由に放送局へ圧力を強めたことが明らかになったといいます。

〈放送法と官邸圧力〉「『報ステ』生放送中に番組幹部に恫喝メール」「自民党からも圧力文書」元経産官僚・古賀茂明氏が明かす官邸によるメディア規制の実態 | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい

 政治が都合よく法律の解釈を変え、それによって異論をつぶし、盲目的に従うことを求めるようになっていたのなら、創造性が育まれることがなく、ただ同調圧力が強まっていったのも理解できます。

 こうした強いられたルールは破らなければならないと、アタリ氏は指摘しているのかもしれません。

論語に学ぶ

君子は食に飽くるを求むることなく、居(お)るに安きを求むること無し。事に敏に、言に慎み、有道に就きて正す。学を好むと謂う可(べ)きのみ。 (「学而第一」14)

 君子 教養人は飽食を求めたり、豪華で心地よい邸宅に住みことなど難事ではないが、そんなことに満足することはない。なすべき仕事はすばやくこなし、発言においては慎重で、そのうえ、優れた人格者に接し、自分の言動ついて批判を乞うて自ら正すべきである。こうしたことのできる人は、学を好む人とはっきりいってよいと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

「この言葉の諸実践が学問である」と桑原武夫は解釈しています。

学問を好むというのは、理論を無視するのでは決してないが、それを内的にもてあそぶことではなく、理論をつつんで外にあらわれる自己の行動が道にかなっているかどうかを省察することだとするのである。 (引用:「論語桑原武夫)   

 孔子が生きた古代においては、人民の暮らしぶりを無視し、暴飲暴食することは悪徳とされ、それにふける特権者は暴君とされたといいます。

 現代においても同じではないでしょうか。既得権益にしがみ付き、権力を欲しいままにすることもまた悪徳なのでしょう。

視察

 西村経済産業相が、伊藤忠商事を視察したそうです。伊藤忠は05年度に0.60だった出生率が21年度に1.97へ急上昇し、日本全体の1.30(21年)を大きく上回っているそうです。その秘訣を探りにいったようです。

「お金はすべてじゃない」 伊藤忠岡藤会長が考える異次元の少子化対策:日経ビジネス電子版

 伊藤忠の岡藤CEOは「お金は大事だが、すべてではない」と語ったそうです。一方、視察した西村経産相は「仕事と家庭、自身の人生のバランスをとっている改善策に感銘を受けた」と語ったといいます。

 政府施策に盲目的に追従するだけでなく、結果を出す会社もあります。西村経産相は今回の施策で何を学びとったのでしょうか。

 

「参考文書」

局幹部聴取、「懲らしめる」発言… 放送法解釈以外にも相次いだ緊張 [放送法めぐる総務省文書問題]:朝日新聞デジタル