社会が変えていこうと願う人たちがいる一方で、それに抵抗する人たちもいます。
同性婚や性的少数者の理解増進を図る法案、選択的夫婦別姓に関する議論の期限設定に、首相が難色を示し、「いつまでに結論を出せという課題ではない」と述べたそうです。
首相、期限設定に難色示す 同性婚や夫婦別姓議論 | 共同通信
記事によると、選択的夫婦別姓の導入について、首相は「私自身は反対とは一度も申し上げたことはない。価値観や心に関わる問題であり、議論が必要だ。状況を注視したい」と述べたといいます。
社会が変わってしまう
防衛力や原子力関連については、拙速に、半場強引に話が進みます。
選択的夫婦別姓の導入に反対でないのなら、政府として粛々と進めなければ理屈が合わないように感じます。
どんどん新しいものに変えていく
トヨタ自動車の名誉会長の豊田章一郎氏が亡くなりました。ご冥福をお祈り申し上げます。
追悼 トヨタの豊田章一郎名誉会長 慢心あれば滅びが始まる:日経ビジネス電子版
2000年当時、章一郎氏は「本音で言うと僕はトヨタは欧米に負けたとは全く思っていない。でも追いつ追われつになったのは確かだ」と述べ、それについて「トヨタ生産方式であれば、それをどんどん新しいものに変えていけばいい。改善に終わりはない。昨日よりは今日、今日よりは明日、と改善に改善を重ねていく。それこそ地道に、真面目に、一生懸命にです」と語ったといいます。
ビジネス環境が変われば、自分たちの基幹システムもそれに合わせていく、そうしたDNAが引き継がれているから、トヨタは自動車で世界No1であり続けることができるということでしょうか。
章一郎氏は「慢心は滅びの始まり」といい、トヨタが強いと言われることによって、社員に慢心みたいなものが出ないかと、心配していたそうです。
また「トヨタ生産方式」を「悪いものを次の工程に送らない」そういうことなんですよと説明したそうです。シンプルでわかりやすい言葉ではないでしょうか。
慢心と墨守、時代遅れに
長く政権にあると慢心し、自分たちの価値観を正義との勘違いに陥るのでしょうか。それを墨守するようになれば、社会が発展するはずもなく、停滞するばかりのような気がします。
同性婚で「社会は変わらない」 米特使が見た、唯一もたらす影響とは:朝日新聞デジタル
G7は日本にとってとても近しい国で構成されていますが、日本には他のG7メンバーと異なり、LGBTQI+の人たちを差別から守る制度がありません。婚姻における平等もなく、トランスジェンダーの人たちの権利が尊重されない現在の仕組みは時代遅れです。(出所:朝日新聞)
これでは価値観を一にするはずのG7メンバーと国際秩序を語り合うことができそうにありません。
アベノミクス
アベノミクスについても同じことが言えそうです。
自民党安倍派幹部の世耕参院幹事長は、アベノミクスを否定する動きになるとして、2%の物価上昇目標を明記した政府・日銀の共同声明見直しについてけん制しているといいます。
与野党、アベノミクス行方注視 岸田首相、路線「総括」課題に:時事ドットコム
「どんどん新しいものに変えていけばいい。改善に終わりはない。昨日よりは今日、今日よりは明日、と改善に改善を重ねていく」、豊田章一郎氏のように考えることはできないのでしょうか。
論語に学ぶ
周は二代に監(くら)ぶれば、郁郁乎(いくいくこ)として文(あや)なるかな。吾は周に従わん。(「八佾第三」14)
周王朝は、その前の夏や殷の二代の王朝に比べる、その文化は華やかに発展している。私は周の文化に従うと意味します。
時代が移ろえば、古めしくなり有用でないものは改まり、文化も進歩、発展するものなのでしょう。
改めるべきを改める、「改善に終わりはない」、改善に改善を重ねることが文化も発展していくのではないでしょうか。
「参考文書」
岸田首相 「『アベノミクス』継承するか日銀として判断」 | NHK | 日本銀行(日銀)