子曰わく、周は二代に監(くら)ぶれば、郁郁乎(いくいくこ)として文(あや)なるかな。吾は周に従わん。(「八佾第三」14)
(意味)
「周は、その前の夏・殷二代に比べると、華やかに発展している。私は周の文化に従う。」(論語 加地伸行)
突如として消滅した文明が数多くある。一方で、王朝は変われど脈々と引き継がれる文明もある。歴史の連続性ということなのだろう。取捨選択し、改めるものを改め、発展、成長があれば歴史はつながっていくのかもしれない。
「関連文書」
(参考文献)
ラグビーワールドカップで南アフリカが優勝した。アパルトヘイトの歴史をもつ国南アフリカ。不思議なこともある。南アフリカは優勝のたびに辛い過去と決別するシーンをみせているようである。
1995年、南アフリカで開催されたラグビーワールドカップで南アフリカは初優勝した。その時、表彰式で優勝トロフィー「ウィリアム・ウェブ・エリス・カップ」を南アフリカ主将に手渡したのは、ノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラ大統領であった。黒人であるマンデラ氏から、白人の主将フランソワ・ピーナールへ。
2019年のワールドカップ、初めて黒人が主将となった。その人はシヤ・コリシ。アパルトヘイトが撤廃に向かう1991年に生まれた。苦難な時間を過ごすこともあったのだろう。そして、2度目の優勝を果たす。
『周は二代に監ぶれば、郁郁乎として文なるかな。吾は周に従わん。』
コリシ主将が大きな口を開け、南アフリカ国家を歌う姿がとても印象的だった。南アフリカは苦いアパルトヘイトの歴史を克服しているように見える。
(参考文献)