「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

差別発言で揺れる政権与党、首相の言葉のように社会が変わるのかもしれない

 

 米国が飛来した気球を撃墜したことで米中の緊張が再燃しかねないといいます。対中強硬姿勢の野党共和党は弱腰と国際社会から見られてしまえば、米国の影響力が低下することを懸念しているようです。

 バイデン政権はそうした共和党の声を無視できないようです。これが米国の政治なのでしょうか。

 一方、中国も国際社会への影響力と国内世論を考慮して、米国を批判するのでしょう。

 自国の威信と国内世論を気にして対立する両国、こんなことに巻き込まれては損するばかりで何もいいことはありそうにありません。

 緊張を高めるよりは融和的であって欲しいものです。またそう働きかけをすべきなのでしょう。それが自国民の利益になり、それによって国際貢献も果たせそうな気がします。

 

 

世論に動かされる

 首相秘書官の差別発言を端にして社会が揺れています。これまで「LGBT理解増進法案」に反対していた自民党の態度に変化があるようです。

 自民党幹部が話し合い、この法案を前向きに進めていく方向で一致したといいます。

【速報】自民党幹部、「LGBT理解増進法案」前向きに進めることで一致 | TBS NEWS DIG (1ページ)

 ただ保守系議員を中心にして依然として反対論は根強いともいいます。

社会が変わってしまう

 やはり自民党保守系といわれる議員たちと世相の間に大きなズレがあるのでしょうか。

 こうした報道を見ていると、首相が述べた「社会が変わってしまう」、この言葉のように社会が変わるのかもしれないと思えたりします。

 一方で、自民党内には「保守とは寛容さ」との声もあるといいます。

「保守」とは一体何だろうかとも感じますし、どちらが自民の本流なのでしょうか。

デフレマインド

 コロナ禍で積み上がった「コロナ貯蓄」が、日本では減らずに増え続けているそうです。将来不安などで個人消費にお金が回っていないといいます。

「コロナ貯蓄」使わぬ日本 米国は6割減、個人消費に差: 日本経済新聞

 こうした状況について、ある専門家は、デフレマインドに侵されている日本では節約する人が多いといいます。

 節約すること自体は悪いことではないような気がします。ただ将来不安があるから、なお一層節約に努めようとの意識が生まれるのかもしれません。これがデフレにつながったとするのなら、将来不安を解消しない限り改善はないのでしょう。一体、誰がこの不安をもたらしているのでしょうか。

 

 

 リフレ政策の下、大盤振る舞いを長く続けてきました。じゃぶじゃぶとお金を使い、膨大な政府債務が積み上がりました。その債務に対する国民一人あたりの負担額も報じられたりします。将来に不安を感じて当たり前のことのように思えます。

 国民が感じる不安の根源にスポットをあてず、経済を回せという論理に無理があったのでしょう。

 政治が他国のように、もっと国民を思うようになれば、社会の空気にも変化が起こるのではないでしょうか。

論語に学ぶ

寛(かん)なれば則(すなわ)ち衆を得、信なれば則ち民任じ。敏なれば則ち功有り、公なれば則ち説(よろこ)ぶ。(「堯曰第二十」1)

 統治が「寛」、寛大、寛容であれば、人々の支持を得、「信」言行一致であれば、人々は信頼し、「敏」処理が敏速であれば実績が上り、「公」公平であれば、喜ぶと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子の統治における理想を表した言葉です。「保守」とか「リベラル」にこだわらず、こうした心構えが基本となれば、世論が変わり、社会がより良い方向に向かうのではないでしょうか。

 

 

 覇権争いを続ける米中の指導者は、もしかしたらこうしたことを知っているのかもしれません。

 それぞれに様々な問題は抱えているのでしょうが、少なくとも世論を得、信用されて政治ができることを知っているのでしょう。それが日本との違いなのでしょう。

 

「参考文書」

同性婚で「社会変わってしまう」は首相のアドリブ 問われる人権感覚 [岸田政権]:朝日新聞デジタル