「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

焦る首相、支持率回復に向けて、次は「右旋回」へ

 時代が変われば世相もまた変わっていきます。サステナビリティが当たり前になり、SDGsやESGを語る人が増えています。企業は「よりよい社会にするためには何をすべきか」と問われ、従来のような「よい会社になるために何をすべきか」との視点では利己的とみられるようになってきているようです。

ジャニーズ事務所

 世間を騒がせている旧ジャニーズ事務所の問題で、また新たな動きがあるようです。新たに立ち上がるエージェント会社の社長就任に予定されていた東山氏が辞退、外部から招聘になるそうです。

東山紀之(57)がジャニーズ新会社の社長就任を辞退していた!《代わりの社長は外部から招聘する予定》 | 文春オンライン

 世論の支持がなければ、反発を買うばかりでその後に影響します。ミスを犯しても修正ができれば、それはそれで、まだマシなのかもしれません。それが民主社会のよいところといってもいいのでしょう。

 

 

明治神宮外苑再開発

 反対運動が続く神宮外苑の再開発問題では、三井不動産が都の要請を受け、環境アセスメントの見直し案を提出、問題視されている樹木の伐採が延期となっているようです。

明治神宮「情報発信足りず」 外苑の再開発巡り|【西日本新聞me】

「将来にわたり内苑・外苑を護持するには、外苑の収益が欠かせず、次の時代を見据えた施設の更新が必要」と、再開発の背景を神宮外苑の関係者が語っています。明治神宮によれば、収益の8割が外苑によってもたらされているそうです。

 明治神宮を維持していくことはそれで大切ことですが、それによってその一部の文化的価値を損ねては、神宮側の欺瞞と映ります。自らには都合がよくても、それが社会のためになっていないということなのでしょう。

言い訳、論点ずらし、次は改憲

 国会論戦が始まっています。自らの言動で世間をざわつかせた首相が言い訳のような答弁を重ねているようです。その一方で、支持率回復に向け、改憲意欲をアピールして、安倍政権を支持した保守層の離反に歯止めをかける狙いがあるといいます。

首相、改憲意欲アピール 「安倍支持層」離反に焦り/内閣支持率低迷 – デーリー東北デジタル

 政権浮揚に苦心する首相の「右旋回」が、過去の戦争の教訓を踏まえた平和憲法の行方に影を落とすといいます。何でまたこんな時にと感じます。権力への執着が際立ちます。国民のためになっていないことが明らかになりつつある中、いつまで同じことを繰り返すのでしょうか。

 

 

「政府が愚かな言動をしても、過ちを追求し、うまくいけば修正できる」「公開の場で自由に議論する」、それが民主主義の力とされます。

 それとは違う流れに引き込まれていきそうな感じがします。一人の人間に権力が集中するようになると、物事がうまくいかなくなるリスクが高まるといいます。ロシア、北朝鮮、中国など権威主義的な国家を見えれば、火を見るよりも明らかなことです。

論語に学ぶ

哀公問うて曰わく、何を為せば則ち民服せん、と。孔子対(こた)えて曰わく、直きを挙げて諸を枉(まが)れるに錯(お)けば、則ち民服す。枉れるを挙げて諸を直きに錯けば、則ち民服せず、と。(「為政第二」19)

 農民の叛乱におびえる年若く無力な君主哀公が「どのようにすれば、人民は心服するであろうか」と質問しました。孔子は「直」正しい人間を抜擢、登用して、「枉」真直ぐでない、正しくない者の上に置くならば、人民は服従する。逆に、不正な人物を抜擢して、これを正しい人間の上に置くならば、人民は決して服従しないだろうとこたえました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 

 

 先日放映されたNHK日曜討論」で、自民党の萩生田政調会長と、立憲民主党の長妻政調会長が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済をめぐって、激しくやりやったそうです。

自民・萩生田政調会長「名指しレッテル張り心外」旧統一教会被害者救済で立民・長妻昭氏とバトル - 社会 : 日刊スポーツ

 けじめをつけなければ、「枉」真直ぐでない、正しくない者に見えてしまいます。それをせずに要職につけるから、こうした公開の場での、低レベルな議論となってしまうのかもしれません。

 こんなことを続けていては、いつまでも低空飛行のままで、社会がさらに混乱、引き裂かれていくことになるのかもしれません。

 

 

「参考文書」

変わる経営、変わらぬ経営 - 日本経済新聞