「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

スーパーチューズデー、「もしトラ」の現実味、米共和党の右傾化

「もしトラ」が「ほぼトラ」になることはあるのでしょうか。スーパーチューズデーで、米共和党の大統領候補がトランプ氏となりそうな勢いです。ジジイではなく、ニュージェネレーションの女性リーダーが誕生となれば、米国らしいのかなと思ったりもしますが、ガラスの天井を突き破れないのも米国なのかと感じます。

最高裁判断にバイデン氏も安堵か トランプ氏再戦に勝機 - 日本経済新聞

 一方、民主党バイデン大統領は、トランプ氏との戦いを前提に再選戦略を組み立てているそうです。ジジイの再対決は如何なものかと思いますが、昨今の米国世論からして、若き民主党候補がトランプ氏に挑んで敗退するようなことを避けようとしているのでしょうか。老獪さに頼っていては進歩が停滞しそうですが、辛抱する時間も必要なのかもしれません。

 

 

 しかし、「もしトラ」となったらと少々心配になります。アメリカ第一主義保護主義への傾斜で不確実性がさらに高まり、環境政策の後退などが想定されるといいます。

トランプ復権に構える世界 安全保障・産業政策は一変 - 日本経済新聞

 一方、高騰を続ける日本株にとってはポジティブな影響になるとの見方もあるようですが、株価上昇を支える半導体関連株にとってはリスクになる可能性があるともいいます。

 また、安全保障においては、米国の関与が後退するとの見方がある一方で、中国への警戒感から日米同盟は大幅強化されるとの意見もあるようです。そうなると防衛力のさらなる強化とか、あまり好ましくないことを起こりかねないそうです。

 中国では全人代が始まり、国防予算を前年比7.2%増の34兆8000億円にすると発表したそうです。またロシアでは大統領選が2週間後には行われ、反戦候補もなくプーチン大統領が圧勝するのが確実視されています。

「とらわれの魂」解放なるか プーチン主義に自壊の兆し - 日本経済新聞

 世界の大国が、地政学リスクを高め、緊張を強いる方向へと向かっていそうです。好ましくないこうした流れに巻き込まれることは避けなければなりませんが、どうなっていくのでしょうか。

 

 

 政府が防衛費増額を決め、増税してまで防衛力を強化しようとしています。参議院予算委員会では、日英伊3カ国が共同開発・生産する次期戦闘機について第三国への輸出解禁で質疑があったようです。

次期戦闘機、輸出不可能なら「防衛に支障」 岸田首相 - 日本経済新聞

 輸出によるコスト低減に努めなければ「日本が求める戦闘機の実現が困難となる」と首相は答弁し、また、次期戦闘機以外でも国際共同開発の枠組みに加われなくなれば「装備品の取得・維持が困難となり日本の防衛に支障をきたすことになる」と言及したといいます。ほんとうにそうなのでしょうか。

論語に学ぶ

子 顔淵に謂いて曰わく、之を用うれば則(すなわ)ち行ない、これを舎(す)つれば則ち蔵(かく)る。唯 我と爾(なんじ)と是れ有るか、と。子路曰わく、子 三軍を行(や)らば、則ち誰と与(とも)にせん、と。子曰わく、暴虎馮河(ぼうこひょうが)し、死して悔ゆる無き者は、吾 与にせず。必ずや、事に臨んで懼(おそ)れ、謀(はかりごと)を好んで而(しか)して成す者たれ、と。(「述而第七」10)

 孔子が弟子の顔淵に「君主が登用すると勤務し、解職するのであれば隠遁する。そんな出処進退ができるのはこの私とお前ぐらいだろう」といいました。すると、側にいた弟子の子路が「先生が軍を指揮されますときは、だれとならご一緒なさいますか」と尋ねました。孔子は「素手で虎を捕えようとか、大河を舟なしで歩いて渡ろうとか、そういう無謀なことをして、死んでもかまわないとするような者は、お断りだ。共に戦えるのは、戦争を前にしては十分に慎重にし、戦略・戦術を巧みにして最後に勝利を得る者だ」と答えました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 世界の国々が軍拡競争を繰り広げてどうするのでしょうか。昨今の世界の動きからして、それで抑止が可能というのは妄想のような気もします。平和維持には別なアプローチが求められていそうですが、今の政府自民党にそれを求めるのは無理なことなのかもしれません。そういう思考すらないのでしょうから。 

 

 

 参院予算委員会の質疑で、れいわ新選組の山本代表が首相に「いつ辞めるのか」と質問したそうです。また「自民議員の4分の1は裏金ネコババの泥棒だ」と指摘し、「泥棒が作った予算案を普通に審議している現在もおかしいし、泥棒が作った法案を通常国会で成立させようとしていること自体おかしい」と主張したそうです。

れいわ・山本太郎氏「いつ辞める」「いつ解散する」、岸田首相「今…考えていない」 - 産経ニュース

 有益な議論ができずに、ムダなことに時間を費やさなければならない状況が続いています。山本氏の主張も一理あるのかもしれません。首相が政権の座から降りれば、議論がもう少し建設的になりそうな気もします。多少の混乱はあるのでしょうが、その選択があってもいいような気がします。

 トランプ氏によって米共和党の右傾化が進んでいるといわれます。「もしトラ」が現実化すると、右傾化の渦に巻き込まれていきそうです。それだけは避けなければならないはずなのですから。

 


www.youtube.com

 

「参考文書」

トランプ氏の出馬容認、最高裁「全会一致」の水面下で渦巻く反対意見 - Bloomberg

「もしトラ」の可能性高まる 米国の期待に日本は応えられるか:日経ビジネス電子版

「もしトラ」トランプ氏の再当選は総じて日本株にポジティブだろう - Bloomberg

中国の国防費増「深刻な懸念事項」 林芳正官房長官 - 日本経済新聞