渋谷を代表する商業施設 東急百貨店本店が閉店となり、約55年の歴史に幕を閉じました。時代は移ろい、社会は変わりゆくものと改めて感じます。
かつて華やいだ百貨店、そのビルは取り壊され、そこに新たな複合施設が建設されるそうです。新陳代謝することで、その時代に適合できるのでしょう。
時代が進めば技術もが進歩し、それによって最新ものが建造され、またそれで街も華やいでいくのでしょう。
長く停滞を続け、経営苦境にあるパナソニックがその危機から脱しつつあるようだといいます。
パナソニックホールディングスの社長に昨年就任した楠見雄規氏は、創業者松下幸之助氏の理念に立ち返った上で、1964年に制定された経営基本方針を約60年ぶりに改定したといいます。
社員一人ひとりが力を発揮できる会社へと立て直しを図ろうとしているそうです。
松下幸之助の水道哲学
創業者幸之助は「水道哲学」を提唱し、「全ての物資を水道の水のように価格を安くして社会を豊かにする」とし、「25年からなる1節を10回繰り返し250年で世の中を楽土にする」という「250年計画」を立案したといいます。
「250年計画がつくられたのは今から90年前。では、これから160年後の世界はどうなるのだろうか」。そう考えた楠見に浮かんだのは、資源不足など新たな貧しさにつながりかねない地球環境問題を解決しなければならない、ということだった。
子孫に物心とも豊かな社会を残すため、それこそが使命だとの思いを強めた。(出所:日経ビジネス)
幸之助の理念と現代の課題を掛け合わせ、そこから新たなパナソニックHDの取り組むべき課題を見出したといいます。
パナソニックの歴代トップ、松下幸之助と終わらぬ対話: 日本経済新聞
記事によれば、幸之助の「産業報国の精神」を楠見は、「私たちの使命は(略)地球環境との調和に貢献することです」に置き換えたといいます。また、経営幹部に「環境投資は短期的に利益と相反するなどとネガティブに考えている事業部長は退場してくれ」ともいったそうです。
企業もまた新陳代謝することで、その時代に適合し、次のステップに進むことができるということなのかもしれません。
論語に学ぶ
故(ふる)きを温めて新しきを知る、以って師と為るべし。 (「為政第二」11)
「温故知新」、 過去の伝統を冷えきったまま固守するのではなく、それを現代の火にかけて新しい味わいを問いなおすと意味します。
「永遠の真理の今日的意味をさぐる」、こうした知的訓練を重ねることによって、目前の複雑で混沌とした現実を、鋭くまた筋道をたててとらえることができるということでもあるといいます。
古くからの伝えを大切にしながらも、それを墨守するのではなく、そこから新しい知識を得て行くことができれば、人を教える師となることができるということなのでしょう。リーダーに求められる資質のような気もします。
公務
首相の欧米歴訪時に同行した長男の翔太郎政務秘書官が首相のプライベートな土産を購入していたことについて、国会 衆院予算委員会で質疑応答があったといいます。
ポケットマネーで全大臣に土産、購入も秘書官公務に含まれ得る=首相 | ロイター
「それは公務か」との質問に対し、首相は「総理の土産を買うことを政務秘書官が対応するのは現実としてあると思う」と答弁し、『公務』であると述べたといいます。
どうなのでしょうか。首相の感覚にずれがないのかと心配になります。防衛政策や原発政策においても同じなのかもしれません。
党の伝統をただ墨守するのではなく、時代にあったものへと変化、アップデートさせるべきなのでしょう。そうできていなから、世界から取り残される状況が続くのではないでしょうか。