「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【世相を表す事件】なぜ、ここまで不正や不祥事がはびこるようになってしまったのだろうか

 

 今日の世相を反映するような事件が続いています。広域強盗事件、宗教団体の問題、五輪汚職や企業での不正や不祥事などなど。

 そればかりではありません。自衛隊においてはハラスメント問題が発覚、その後の調査で、パワハラやセクハラなど約1400件の被害申告があったといいます。これが、国を守るはずの自衛隊の実態なのでしょうか。

 こわい話です。規律もモラルなくして、国を守ることができるのでしょうか。

元自衛官の五ノ井里奈さん、性暴力の加害者や国を提訴 「できればやりたくなかった」裁判へ踏み切った理由:東京新聞 TOKYO Web

 国と加害者の元隊員5人を相手取り、セクハラの被害者が賠償請求の訴えを起こしたそうです。被害を訴えた際に適切な調査をしなかった国の責任などを問うといいます。

 

 

 提訴後に記者会見した被害者は「再発防止につなげ、自衛隊が正義感を持った組織になってほしい」と求めたそうです。

性被害を訴えた際、上司にあたる中隊長は調査を行おうとはしなかった。「上に立つ立場の人は隠蔽などせず、正義感を持った対応をしてほしい。一人一人が大切にされる組織になってほしい」(出所:JIJI.com)

 企業の不祥事

 企業による「談合」も未だ繰り返されています。

かつて銀行業界は談合の巣窟だった 今になって思い起こすこと【江上剛コラム】:時事ドットコム

談合なんていうことが、コンプライアンス意識が高まり、企業取引における透明性確保が徹底される世の中で、いまだに行われていることに驚いた。談合を「昭和の犯罪」と表現している記事を読んだが、まさに古くて新しい犯罪なのだろう。(出所:JIJI.com)

 電力料金が恐ろしく高騰する中、電力会社の談合事件なども発覚しています。談合に参加した電力会社に巨額の課徴金が科せられたというニュースもありました。また、五輪汚職の捜査は続き、テストマッチにおける談合疑惑が取り沙汰されています。

「最も費用を削減するイベントにすると大見えを切っていたのに、そうした覚悟も仕組みも全くなかったことに裏切られた思いだ。税金の無駄遣いであり、特捜部には徹底した捜査を期待したい」と作家の江上剛氏が指摘します。

 

 

関係者が罪を認めているわけではないので軽々なことは言えないが、巨額な費用を使う国家的イベントの背後で、自分だけはうまい汁を吸いたいという欲望がうごめいていたことに、多くの国民は驚くというより「やっぱりね」という感想を抱いたのではないだろうか。(出所:JIJI.com)

 組織委員会は大会を失敗させるわけにはいかないとの不安に駆られ、経験豊かな企業にすがったりしたのでしょうか。そこから巨大な欲望がうごめき始めたということなのでしょうか。

法治国家

 国会で予算委員会での審議が始まりました。いきなりあの宗教団体の会合に頻繁に参加していた与党幹部が質問に立ち待ちました。うんざり、つくづくいやになります。

 法にさえ触れなければ何も問題ないと言わんばかりに、もうしませんといって反省すれば、それでおしまいなのでしょうか。何を発言しても、どうにも疑わしく、胡散臭く感じてしまいます。立法に携わる議員たちが自らのことだけを考えて法整備しているのではないかと思えます。

 もう過去になってしまいましたが、総理大臣が国会でもし私が法に触れているのなら....と発言しました。その後ゴタゴタが続き、忖度、改竄、隠蔽、そんなことが俎上し、議論されました。しかし、うやむやのまま終わってしまったようです。

 一方、広域強盗事件でも、指示役とみられる人物が法を悪用して、強制送還を免れようとしているようだといいます。これが法治国家なのでしょうか。

 

 

論語に学ぶ

孰(たれ)か微生高(びせいこう)を直と謂う。或るひと醯(けい)を乞いたるに、諸(これ)を其の鄰(となり)に乞いて、之に与えたり。(「公冶長第五」24)

 誰が微生高をまっすぐな人と言ったのであろう。ある人が微生高に酢を借りに来たことがあった。そのとき、無いなら無いと素直に言えばよいものをわざわざ自分の隣の家から酢を借りてきて、その人に与えたといいます。そこまでして、それが「直」、まっすぐということなのかと孔子は批判したといいます。

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 別な見方があるといいます。「自分のところに酢がなければ隣から借りて融通してあげる、それがどこが悪いことなのか」。「隣の酢を自分のもののような顔をして融通したところで、立派ではないにしても、何も悪いことではない」、孔子は微生高が剛直で融通の利かない男ではなく、いい人ですよといっているのだといいます。

 微生高の行為は、偽善や虚栄だったのか、それとも他者を思いやる気持ちから生じたことだったのか。それはわかりません。

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 どこまで素直に国、国民を第一に思い、政治が行われているのか、それがわからなくなることが増えているようです。政府、そして議員たちにこうした自覚はあるのでしょうか。これ以上社会が悪化していくことを食い止めなければなりません。

 

「参考文書」

女性隊員にセクハラ 陸士長を懲戒処分 陸自下志津駐屯地 | 千葉日報オンライン