「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

ブラックでは働きたくない、官邸主導、人気が薄れる霞が関

 

 就職先としての霞が関の人気が下がっているそうです。官邸主導型の政策決定で国を動かす働きがいが得にくく、一方で職場環境は「ブラック職場」と呼ばれることが背景にあるようです。

 安倍一強時代の遺物なのでしょうか。良くも悪くも強い信念をもった安倍氏だからこそ成し得た「官邸主導」という組織作りも、人選、組織作りに弱そうに見える現政権下ではそれが最適なのか疑問があります。憧れがあってもいいのかもしれませんが、一国の宰相であるのなら、常に自身を顧みて、その上で最適な組織を作るべきなのでしょう。

 頭脳として霞が関を利用することがあってもいいのかもしれません。

 関係性を改善、再構築し、そのために改革を主導し、正しく国のために働くという再教育があってもよいのではないでしょうか。

 

 

 防衛省が、ミサイルを含む弾薬や航空機などの部品不足など、弾薬の充足率を公表しているそうです。有事の際の継戦能力の低下をあげて、世論に訴え、問題解決のため予算増額を求めているといいます。

弾薬、部品不足が深刻化 防衛省、継戦能力に危機感:時事ドットコム

航空機などの部品不足も深刻だ。可動しない機体から部品を取り外し、他の機体に転用する「共食い整備」が行われており、2021年度は約3400件に上る。このため、使用可能な航空機などの割合が低下し、パイロットの訓練時間が少なくなる影響も出ている。(出所:JIJI.com)

 JIJI.comによると、防衛省は窮状を訴えているそうですが、自民党からは「計画的な予算配分を怠ってきた防衛省の責任は大きい」と厳しい指摘も出ているといいます。

 自ら管理能力の低さを露呈していないでしょうか。

 整備の基本である「5S」知らなければ、とても信頼性のある整備計画など立案できそうにもありません。そんなところに税金をじゃぶじゃぶと投入したところで、浪費するだけで、防衛力の向上もあろうはずもありません。

 こうした現実を分析できずに、ただ外的脅威を煽って増強というのなら、戦前に立ち返っていくことにならないでしょうか。

 

 

 しかし、岸田首相は衆院本会議で、「自衛隊の継戦能力、装備品の可動数は必ずしも十分ではない」、「十分な数量の弾薬の確保や装備品の可動数の増加が重要だ」と述べていたといいます。危うそうです。ただ言いなりになっていないでしょうか。

 一方、防衛力の抜本的な強化を検討するための有識者会議では、防衛費増額の財源について、むやみに国債発行に頼らず増税を含めて国民に負担を求めるべきだという意見があったそうです。

有識者会議“防衛費財源 国民負担で”意見相次ぐ 議事要旨公開 | NHK

 また、法人税増税については「成長と分配の好循環の実現に向け、多くの企業が国内投資や賃上げに取り組んでいる中、企業の努力に水を差すことがないよう議論を深めるべき」という指摘が出たといいます。

 ごもっとな意見です。国の実力以上の増額はありえないのでしょう。実力を知り、現状を理解できれば、今ある設備でやりくりすることを考えるようになり、現実的な解を導くことができるようになるのではないでしょうか。

 

 

論語に学ぶ

子、衛に適(ゆ)く。冉有(ぜんゆう)僕(ぼく)たり。子曰わく、庶(おお)いかな、と。冉有曰わく、既に庶し。又 何をか加えん、と。曰わく、之を富まさん、と。曰わく、既に富めば、又 何をか加えん、と。曰わく、之を教えん、と。(「子路第十三」9)

 孔子が衛の国へ行ったとき、「人が多いな、重税を避けて他国に逃げないことはいいことだ」といいました。

車の御者を務めていた弟子の冉有が「人が多い、この上に何を与えましょうか」と質問します。孔子が「豊かにすることだ」と答えると、冉有は「豊かにもすることができましたあと、何を加えましょうか」と聞きます。すると孔子は「教育だ」と答えたといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 何があっても、安寧こそが第一優先ということなのでしょう。外的脅威には現実的に対処し、むやみに対抗しようとはならないのでしょう。まして実力以上の防衛力増強など論外なのでしょう。

 学び、現状を知り、現実的に対処することを思考さえすれば、どんな難問にさえ、時々の最良の解を見出すことができるはずです。利用すべきは武力のような力ではなく、叡智のはずです。そのためには多様な人材による多面的な学習が求められているのでしょう。

 

「参考文書」

「自民党に投票するからこうなる」がトレンド入り…消費税、退職金、雇用保険に国民年金まで負担増の “超重税国家” に | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]

「すご腕」雇えぬ政府 人材確保、企業と争奪戦: 日本経済新聞