「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【電気料金の異常高騰】いつになったら価格は正常化するのでしょうか

 

「想像すらできなかった石炭価格になっていて、企業の努力だけではなかなか難しい」。

 北陸電力が家庭向け規制料金を来年4月に45.84%値上げすると経済産業省に申請したといいます。認可されれば、標準家庭の料金は、3082円高い1万293円になるそうです。

家庭向け、45.84%値上げ申請 来年4月、43年ぶり―北陸電:時事ドットコム

  北陸電力のた松田社長は「お客さまに負担をお願いする苦渋の決断」と語ったといいます。

 恐ろしいほど値上げ幅です。国の補助で多少緩和されるのでしょうが、このままではよいのかとの疑問が沸きます。

 

 

 尋常ではない値上げ幅を提示されると、必要不可欠な電力だけに、不安を感じます。

 原発再稼働には原則反対ですが、再稼働によって価格抑制効果が得られるのであれば、避け得ないことなのかもしれません。国がもう少し積極的に動き、国会審議など必要な手続きを踏んで地方自治体に働きかけるなどの対応があってもよいのではないでしょうか。

脱炭素とエネルギー危機で転換決意 原発新増設・建て替え「必要」 | 毎日新聞

 こうした足元の問題に対応せず、なぜ先々の議論ばかりを優先するのでしょうか。今現在理由があって稼働させることができない原発が多数あるというのに、新増設の議論もないと思えます。

 東日本大震災以降、原発利用の推進に向けた議論は封印されてきたが、脱炭素化などに向け長期的に活用する方向性を明確化したと記事は指摘しています。

 脱炭素を大義名分にすることはよいにしても、結論ありきの議論で、現状の問題を踏まえていないように見え、残念でなりません。現在の問題を解決できないで、将来を議論しても意味をなしえません。

 また、自民党は「食料安全保障強化政策大綱(仮称)」を年内に策定するよう政府に提言するそうです。食料安全保障の予算確保のためといいます。

自民、食料安保強化へ「大綱」提言 財源の継続確保求める:時事ドットコム

提言案は、気候変動に伴う自然災害の多発などで食料の安定供給に対するリスクが急激に高まっており、一刻の猶予もないと指摘。大綱に、食料確保を国の最重要安保政策の一つとして位置付けるよう求める。これにより、関連予算も「抜本的に拡充」し、政府全体で毎年度の財源確保を要望する。(出所:JIJI.com)

 これも大義名分としては立派なことなのでしょう。しかし、問題解決というよりは、何をするにも財源が必要、増税もやむなしとの議論をしたいだけに思えてしまいます。

「不測の事態に見舞われた時だけでなく、平時から食料安保の確立に向けて国内生産・供給の体制を強化することも提言する」そうですが、今まさに不測の事態が起きているのはないでしょうか。

 いずれにせよ、こうした意見がでるということは政府対応が不十分だったということなのでしょう。反省すべきは反省し、まずは今ある予算内で予算を組みかえてでも、できる効果的な対応策から実行すべきなのでしょう。税金を浪費することなく、有効活用することに徹しなければならないはずです。 

 

論語に学ぶ

哀公(あいこう) 有若(ゆうじゃく)に問いて曰わく、年饑(う)えて用足らず。之を如何せん、と。有若対(こた)えて曰わく、盍(なん)ぞ徹せざらんや、と。

曰わく、二も吾猶足らず。之を如何ぞ其れ徹せんや、と。対えて曰わく、百姓足らば、君 孰(たれ)と与(とも)にか足らざらん。百姓足らずんば、君 孰と与にか足らん、と。(「顔淵第十二」9)

 魯の国の君主哀公が有若に「近ごろ不作で費用が不足だ。どうすればよかろう」と尋ねます。有若は「どうして減税しないのか」と提言します。

 すると哀公は「十分の二の税でも不足なのに、それをどうして十分の一に下げられようか」と答え、有若はさらに「もし民の生活が十分でありますならば、君はだれと不十分となるのではありましょうか。もし民の生活が不十分でありますならば、君はだれと十分となるのでありましょうか」と答えたそうです。 

dsupplying.hatenadiary.jp

 税収不足を嘆き、増税と安直に考えるはいつの時代にあっても常なのかもしれません。国民が疲弊しているのに、さらに重くするのは筋違いなことなのでしょう。

 異常な物価高騰になりそうなのに、何かにつけ理由をつけ平気で増税しようとするのなら、理に疎いということなのでしょう。そんな議員ばかりでは、長く経済が低迷するのも当然なのでしょう。姑息なことでは姑息な結果にしかならないということをこれまでも充分に証明してきているのでしょう。

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 まずは国民負担が軽くなるよう税制を正常化する。露骨な増税は封印し、その上で限られた税収の中でできることに徹し、何ごとも投資効率で判断する。ただそれだけのように気がします。余計なことを考えるからつまらぬ心配を抱え込み、不必要なことまでやろうとするのではないでしょうか。