「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

介入警戒で足踏みの円安、続く物価高騰、100円皿を復活させるスシロー

 円安傾向ですが、足元では政府・日銀による為替介入を警戒して149円に貼りついてしまったようです。物価高騰が続く中での円安は、さらなる物価高騰につながっていく懸念があるだけに気になります。財務省高官が介入の可能性をちらつかせ、牽制していますが、為替介入くらいしか円安を止める手立てがないのが残念です。

 原油価格も高騰を続けているようです。米原油指標 WTI終値が1バレル=93.68ドルに上昇、一時は95ドル台と約1年1カ月ぶりの高値を付けたそうです。原油高はエネルギー価格の高騰となり、また、電気代の高騰にもつながる可能性があるといいます。

 

 

値下げ

 回転ずしチェーンの「スシロー」が期間限定ではありますが、1皿100円のすしを復活させるそうです。昨年の値上げが客数減少を招き、物価高で節約志向が強まる中、低価格を打ち出して来店につなげるそうです。

スシロー、1皿100円のすし復活 12月まで限定提供 - 日本経済新聞

 さらなる賃上げに期待なのでしょうが、そのムードが盛り上がらなければ、消費者の財布のひもは閉まることになるということでしょうか。遠退く客を引き留めるにはやはり値下げが一番効果的なのかもしれません。

論語に学ぶ

哀公(あいこう) 有若(ゆうじゃく)に問いて曰わく、年饑(う)えて用足らず。之を如何せん、と。有若対(こた)えて曰わく、盍(なん)ぞ徹せざらんや、と。

曰わく、二も吾猶足らず。之を如何ぞ其れ徹せんや、と。対えて曰わく、百姓足らば、君 孰(たれ)と与(とも)にか足らざらん。百姓足らずんば、君 孰と与にか足らん、と。(「顔淵第十二」9)

 魯の君主哀公が有若に「近ごろ不作で費用が不足だ。どうすればよかろう」と尋ねました。有若は「どうして税率を十分の一にしないのですか」と答えました。すると哀公は「十分の二の税でも不足なのに、それをどうして十分の一に下げられようか」といいました。有若は「もし民の生活が十分でありますならば、君上はだれと不十分となるのではありましょうか。もし民の生活が不十分でありますならば、君上はだれと十分となるのでありましょうか」と諭しました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 

 

 電気やガス代も値下げになるそうです。政府補助が継続されることになったためといいます。このご時勢下、一見よさそうにも思えますが、原資は税金です。いつまでも続けることはできないのではないでしょうか。一方で増税の懸念が払拭されていません。

 やっている感を醸すことよりも、支出を抑えることや物価高騰の一因になっている円安に如何に対応していくのが求められていそうです。

 その上、首相が口に出した原発再稼働は進まず、期待の洋上風力発電では汚職捜査が続いています。こんなことではいつまでも状況が改善しそうにはありません。

混乱

 株価は昨日大きく下落しました。色々な要因が組み合わさったことによるようですが、原油先物の上昇を受け、空運株や陸運株が売られ、また、米国政治の混乱で、9月末までに連邦政府の予算案が成立せず、10月から米政府の一部機関が閉鎖するリスクへの懸念が投資家心理の重荷になったといいます。

東証大引け 反落、1カ月ぶり3万2000円割れ 配当権利落ち影響、8割の銘柄が下落 - 日本経済新聞

 米国議会は「ねじれ」の状態です。下院は野党共和党過半数を占め、与党民主党の放漫財政に反対の姿勢を強めています。「つなぎ予算」で何とか閉鎖回避を模索しているようですが、強硬派の抵抗でまだ先行きが見えないといいます。

 これも混乱と呼ぶのでしょうが、力が拮抗することで、互いの主張の中から妥協点を見出そうとするのでしょう。それが案外、ちょうどよい頃合いになって社会にもよい影響となるのかもしれません。

米政府閉鎖迫る期限 金利急上昇、財政運営に市場疑念 - 日本経済新聞

 米国経済は日本と比して遥かに順調なのは、長期政権に陥らず独裁色が薄まることで、健全性が保たれているのでしょうか。日本においてもそうあって欲しいものです。それが特効薬になるのかもしれません。

 

「参考文書」

コラム:食品値下げは広がるのか、日銀判断にも影響する分岐点に | ロイター

NY原油、一時94ドル台 1年1カ月ぶり高値:時事ドットコム

11月の電気代、東京電力など8社値下げ 政府補助延長で - 日本経済新聞