「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

予備役招集に反発するロシア国民、政治は国民感情を知るべきではないのか

 

  ロシアで予備役の部分的な「動員令」を発動され、国民の一部が招集を回避するため出国しようと、ロシアの国境沿いに長い行列を作ったといいます。

ロシア国境に出国待ちの長い車列、予備役招集から逃れようと隣国目指す - BBCニュース

 どんなに勇ましいことを語っても、そこにみなが共感する「善きこと」がなければ、応じれるものではないのでしょう。これまで傍観していた人々でさえ、我が身に苦役が降りかかるのであれば、そこから逃れようとするのでしょう。

 プーチンの戦いが無益であることをプーチン自ら証明したのかもしれません。

 

 

 その上、政府高官の子息らが招集の対象外となっているのではないかという疑惑がロシアのネット上で拡散し、反発も強まっているといいます。

ロシア高官と子息は動員対象外か 「私は報道官の息子だ」と招集令を拒否?ネットで拡散され国民が反発:東京新聞 TOKYO Web

 こうした専制的な国を想定して、防衛費を増額することもまた無益なことのように感じてしまいます。国民の命を守るということがどういうことなのか、また、それを真剣に考え、対処していかなければならないのでしょう。軍備増強ではあまりにも短絡過ぎないでしょうか。

論語に学ぶ

葉公(しょうこう)政を問う。子曰わく、近き者説(よろこ)び、遠き者来たる、と。(「子路第十三」16)

 葉公が政治とは何かと質問した。「近隣の者が喜び、遠地の者が移ってくるような政治です」と孔子は答えました。

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 圧政の地から逃れ、安全な場所へ移動することは当然なことなのでしょう。善政が行われ、人権が保障され、機会に恵まれているのなら誰も「逃散」のような反発的な行為をしないのでしょう。

 

 

 岸田首相がニューヨーク証券取引所で演説し、看板政策「新しい資本主義」を推進することで日本経済を再び成長軌道に乗せると強調し、「確信をもって日本に投資をしてほしい」と呼びかけたそうです。

岸田首相がNY証取で演説、「確信もって日本に投資を」 為替介入にも言及 | ロイター

 どうなのでしょうか。言葉巧みに海外で語ったところで、信頼がおける内容で、なおかつ時宜を得ていなければ、呼応する者も少ないのではないでしょうか。また、その内容がコロコロと変わっているようであれば、「信」に値しないと勘ぐられてしまうかもしれません。

南人(なんじん)言える有り。曰わく、人にして恒(つね)無くんば、以て巫医(ふい)を作(な)す可からず、と。善いかな。其の徳を恒にせざれば、或(つね)に之に羞(はじ)を承(う)くるのみ、と。子曰わく、占わざるのみ、と。(「子路第十三」22)

 南国の人の諺に「人間として「恒」がなく、言うこと為すこといつも変わる者は、巫者でも医者でも治すことができない」という善い言葉がある。「人徳が不動でなければ、常に恥をかく」ともある。孔子は「不動でないものは凶であり、占うほどのものでもない」といいました。

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 首相の言説がどうも時と場合によって変化するように感じますが、気のせいなのでしょうか。また言動の不一致も気になります。

 

 

 ただ変わらないものもあるようです。

 ニューヨーク証券取引所での演説の冒頭、「私の友人であり、偉大な前任者でもある安倍元総理の事件に際し、ニューヨーク証券取引所の皆さんから示していただいた心のこもった弔意。我々日本人は、決して忘れない」と語ったといいます。

令和4年9月22日 ニューヨーク証券取引所における岸田内閣総理大臣スピーチ | 総理の演説・記者会見など | 首相官邸ホームページ

 感謝を伝えることはよいことにしても、「偉大な」という形容詞に違和感を感じます。個人的な評価と国民の評価は必ずしも一致していないのではないでしょうか。

 こういうところに人徳が現れるのでしょう。偏った評価がベースにあるから、ものまねのような行動ができるのかもしれません。国民感情を無視したような尊大な態度も前任者ゆずりなのでしょうか。