政府・日銀が為替介入に踏み切りました。
「投機による為替の過度な変動は見逃すことができず実施した」と岸田首相が述べたそうです。また、「過度な変動には断固として必要な対応を取る」とも語ったといいます。
政府・日銀が24年ぶり円買い介入:識者はこうみる | ロイター
これで日本は2正面で戦うことになった。日銀は長期金利の上昇を抑えるために戦い、財務省は日銀の政策ミスの影響を相殺するために為替介入する。
いずれも成功しないだろうと我々は見ている。日銀の国債購入と同様、市場が為替介入に鈍感になるにつれ、145円台が再び試されることになるだろう。(出所:ロイター)
相矛盾する政策では、問題を複雑化させるということでしょうか。混乱すればするほどに投機筋が動きやすくなりそうです。
介入後円は、145円から141円と円高に振れましたが、効果を限定的とみる専門家が多いようです。当面は145円が攻防ラインになるのでしょうか。
米財務省は、日本単独での為替介入について容認する姿勢を表明したそうです。裏を返せば、協調介入を否定し、自らは手を貸さないことでドル高是正への意思がないことを示した形といいます。
いずれ円高基調になるときが来る、その時が来るのをこらえて待つという姿勢なのでしょうか。来年3月には日銀総裁が交代となります。そのときの米国経済次第ということなのかもしれません。
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首相は先日国連総会で演説し、ロシアを非難し、国連、安保理改革を訴えたそうです。
岸田首相が国連で演説、国際秩序回復へ国連は改革と機能強化を | ロイター
首相は、安全保障理事会の常任理事国であるロシアがウクライナを侵略したことにより、国連の信頼性が危機に陥っていると強調。信頼を回復するために加盟国が行動しなければならないと述べた。安保理改革に向け、今が「文言ベースの交渉を開始する時だ」と呼びかけた。(出所:ロイター)
他者の問題を見つけ、正すべきということは容易なことです。しかし己の問題にはなかなか気づけないといいます。国際秩序の回復もたいへん重要なことで喫緊の課題であることは間違いないのでしょうが、それと同じくらいに国内の秩序回復と改革の断行が求められているのではないでしょうか。
論語に学ぶ
吾回と言う。終日違わずして愚なるが如し。退いて其の私を省みれば、亦以て発するに足れり。回や愚ならず。(「為政第二」9)
弟子の顔回と一日中話をしていても、彼は黙って聞いているだけで、少しも言葉を返したりはせずに、まるで愚か者のようにみえる。ところが、彼が引き下がった後で、その私生活をよく観察すると、どこか人をして悟らせるようなところがある。あの男は愚か者ではけっしてないと孔子がいったといいます。
聞く力とはこうした顔回のような態度のことをいうのでしょうか。
なるほどと納得できる言動があってはじめて、良くなっていると実感できるのでしょう。
まずは、ちぐはぐさの言動を少なくし、その解消に努めさえすればよいのではないでしょうか。そんなに難しいことなのでしょうか。
「参考文書」
山本・群馬知事「恫喝だ」 マイナカード低取得率で交付金認めず報道 | 毎日新聞
米財務省「日本の為替介入を理解」 協調介入は否定: 日本経済新聞
投機による過度な変動、見逃すことできない=為替介入で岸田首相 | ロイター