子曰わく、吾回と言う。終日違わずして愚なるが如し。退いて其の私を省みれば、亦以て発するに足れり。回や愚ならず。(「為政第二」9)
(意味)
「孔子は顔回と話すことがあった。一日中、私が語っているのに、黙って聞いて同意するばかりで、馬鹿者のようであった。しかし、顔回が部屋に帰ったあと、彼の行ないをあれこれよく検討してみると、私の教えたことを理解し、新たに物ごとを明らかにしている。けっして馬鹿者ではない。」(論語 加地伸行)
「回」とは、顔淵のこと。姓は顔、名が回、字名が子淵。魯の国のひと。孔門十哲の一人、孔子最愛の弟子とされる。好学の士。
孔子より30歳年少で、孔子61歳のとき、32歳で亡くなったという。これが通説だが、孔子71歳のとき、41歳で死んだという説もあるという。加地は29歳で亡くなった説を採用し、すべて白髪だったという。
孔子は口舌の雄を好まない。正しい思想をどのように正しく実践されているかに注目し、生活実践を評価する。その考え方を最愛の弟子に託して示したのであると桑原はいう。
ラグビー日本代表の主将リーチ・マイケル。15歳で日本に留学でやってきて、それから15年の年月が経つ。「日本で学び、育った」と言う。ラグビー選手みながリーチを絶賛する。
ヘッドコーチの戦略や指示に従い、愚直なまでに練習を続けるラグビー選手たち。いつも、その先頭にいるのがリーチ・マイケル。その成果が試合で試される。
リーチが主将をつとめるようになって、日本代表は見違えるように強くなったような気がする。
終日違わずして愚なるが如し。退いて其の私を省みれば、亦以て発するに足れり
リーチ・マイケルのことではないかと思う 。
(写真出所:Wikipedia)
(参考文献)