「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【混乱】気になる首相の優柔不断さ、国連総会参加は問題からの逃避か

 

 米国の消費者物価指数が発表されると、円安が一気に進み、これを受け、鈴木財務相が禁じ手の為替介入を示唆しました。円相場が生活に直結するようになっているだけに動向が気になります。

 混乱が続き、不安が増しますが、一向に収まる気配はありません。

 宗教団体と自民党議員とのつながりが連日報道され、相変わらず釈明に追われているようです。このような状況で議員としての仕事をまっとうできるのでしょうか。

「招待枠もないのに先走り」岸田首相が英女王国葬参列見送り 準備の関係省庁から不満 | カナロコ by 神奈川新聞

 首相も相変わらず「勇み足」の連続のようで、招待もされていないエリザベス女王国葬への参列を検討し、招待枠がないとわかると参列を見送ることを決めたといいます。

国葬やコロナ対策などを巡っての岸田首相や周辺の優柔不断、情報共有の不徹底は「常態化している」(自民党幹部)という。(出所:神奈川新聞)

 情けない話です。混乱するのもわかります。こんなことで舵取りが上手にできるはずもありません。

 

 

  混乱が収まる気配がないのに、今度は20日から始める国連総会に参加すると表明したそうです。国連総会でスピーチし、「我が国ならではの貢献をしてまいりたい」とも言っているそうです。

岸田首相、国連総会出席も「外交アピール」不完全燃焼か…国葬と日程かぶりで “途中退席” のトホホ | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]

 呆れるだけです。

 ここ最近の首相の言動からすると、本来、内にとどめておくべき本音が表面に出てきているのでしょうか。外交なら......

 情動を抑制できていないのかもしれません。

 支持率低下が収まらず、成果を欲しているのでしょうか。得意の外交なら成果が残せそうとのあせりのように見えます。外交だけが自分の能力とさらけだしているようなものです。

論語に学ぶ

「君子は器にならず」(「為政第二」12)といいます。

君子は専門家ではない。器はすべて特定の用途のために作られ、それ以外の用途には適さない。舟は水に浮かべるが山に登れない、車は陸を行くが海は渡れない。君子は用途のせまい器のような専門家であってはならない。(出所:「論語桑原武夫

dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子は専門技能を否定したのではなく、専門を持ちながら同時に広い視野と行動力を持つべきといっているのではないかといいます。専門ボケになるなととってもいいのかもしれません。

 

 

  一方、儒学者 萩生徂徠は、君子を政治的にとらえ、一般官僚はそれぞれの技能を持った「器」でなければならないといいます。君子はこの様々な「器」を使いこなす立場にあるのであって、特定の技能者であることを避けるべきだといいます。

 一国の宰相の行動はこうあるべきなのかもしれません。自分の専門だけに頼ってはならないのでしょう。

 リーダーが自分が知っていることや興味があることだけに熱心になるようであれば、失敗につながっていってしまいます。首相個人の失敗であれば許容することはできても、それが国と国民生活に影響するようであれば、看過できません。助言する近習はいないのでしょうか。

 人は時として自分の弱みを隠そうとして、あたかもそれを強みのようにして振舞うことがあります。首相の聞く力もそういうことだったということなのかもしれません。