「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

歴史的な決断、やむにやまれず中立政策を転換するフィンランドとスウェーデン

 

 北欧のフィンランドとスウェーデが、NATO 北大西洋条約機構に加盟を申請すると発表したそうです。昨今の国際情勢を鑑みてのことなのでしょう。NATO加盟によって北欧の安全が向上するとみてのことのようです。歴史的な決断といっていいのでしょうか。

スウェーデンとフィンランド、NATO加盟申請を正式決定 - BBCニュース

 BBCによれば、世界的紛争から距離を置いてきた、中立で平和な国家としてのアイデンティティーを失ったことを嘆く声もあるといいます。また、加盟に不安を感じている人たちもいるそうです。NATO加盟で平和が維持できると、誰もが確信しているわけではないといいます。

 

 

論語に学ぶ

季氏 閔子鶱(びんしけん)をして費の宰と為ら使(し)む。閔子鶱曰わく、善く我が為に辞せよ。如(も)し我を復(ふたた)びする者有らば、則ち吾は必ず汶上(ぶんじょう)に在(あ)らん、と。(「雍也第六」9)

「閔子鶱」、孔子より15歳年少の弟子、孔門の徳行の士として著名であったといいます。

 季氏が閔子鶱を採用して、治めにくい費の地頭にしようと使いを出したところ、閔子鶱は季氏の不徳を知っていたので、使者にほどよくお断りして欲しい、もし再度招かれるようなことがあったら、きっと私は国境の汶川(ぶんせん)のほとりに逃れて、外国へ亡命することになるでしょうと述べたといいます。

 心ある者は、不徳を為すものに仕えようとしないのでしょう。清廉潔白でいようとすれば、悪徳に近づいてはならないのでしょう。自身の理想を実現するためには決断が求められ、それが社会の中で何かの役になるのかもしれません。

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「康子(こうし)薬を饋(おく)る。拝して之を受く。曰わく、丘(きゅう)未だ達せず。敢えて嘗(な)めず」(「郷党第十」10)という。

 その季氏(康子)が孔子に薬を贈ったという。孔子は拝して受け取り、「私、この薬につきましてまだ知識がありませぬゆえ、今すぐの服用をいたしませぬ」と言ったという。無理からぬことなのだろう。季氏に仕える身として、礼の形式を踏むことにとどめるということでしょうか。

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 季氏がどこかの国の大統領にだぶります。徳が薄く、お付き合いしても何も得るものもなく、他人のもっているものを妬み、奪おうとすれば、嫌われ、不人気になるのはごく自然なことに思えます。それを本人が気づかないことが不思議でなりません。

 

 

 プーチン大統領が、CSTO 集団安全保障条約機構の首脳会議を招集し、フィンランドスウェーデンのことについて言及したといいます。

北欧2国の軍事拡大に対応 NATO加盟方針でロシア大統領:時事ドットコム

 この会議にはどんな目的で開催されたのでしょうか。参加した国々はどんな意図で参加したのでしょうか。

 孔子季氏を謂う。八佾(はちいつ)庭に舞わしむ。是れ忍ぶ可(べ)くんば、孰(いず)れをか忍ぶ可からざらん、と。(「八佾第三」1)

 孔子が季氏について、「自邸の庭で祖先の祭祀を行なうとき、天子しか許されない八佾の舞 六十四人による納舞をさせるなど、こういうことを平気で行なえるというのであれば、どのようなことでも平気で行なうことになるであろう」といったという。

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 季氏は祖先が桓公であるため、魯君と同等に「八佾の舞」を自邸で行ったという。これでは、主君と同格を示すのみならず、間接的には天子と同格になるので、孔子はそれを僭越と批判したという。

 自分の実力を知り、他者の行為を妬まず、勝手に競合など思い込まずに、礼を守り、謙遜の念を持つことの大切を改めて感じます。

 

「参考文書」

北欧2国の軍事拡大に対応 NATO加盟方針でロシア大統領:時事ドットコム