「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【苟くも子の欲せざれば、之を賞すと雖も竊まざらん】 Vol.299

 

季康子(きこうし) 盗(とう)を患う。孔子に問う。孔子対(こた)えて曰わく、苟(いやし)くも子の欲せざれば、之を賞すと雖(いえど)も竊(ぬす)まざらん、と(「顔淵第十二」18)

 

  (解説)

季康殿が盗賊が多いのを患えて孔子に対策を質問した。孔子はこう答えた。「貴台が不欲でありますれば、たとい盗みを賞(ほ)めましても、誰も盗みなどいたしますまい」と。論語 加地伸行

 

「不欲」とは、まったくの無欲と異なり欲望を認めると加地はいう。ただし、貪欲ではないという。

 

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 「季康子」、魯国の実質的支配者である三桓氏の筆頭が季孫氏。季康はその当主。康は諡(おくりな)。魯の国の宰相で、その父季桓子はかつての孔子の同僚。

 

 

 

 従業員による着服など不正行為のニュースがつきない。なぜこうしたことがおこるのだろうか。なぜ、そこまで貪欲に走ってしまうのだろうか。

 リーダーたちの行動を無意識につぶさに観察し、それに感化されしまうのだろうか。感化が邪念を生み、貪欲を育てるのだろうか。邪念に惑わされずにいたいものだ。

 克己心を養えば、そうした邪念を捨てることが出来るかもしれない。

 

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(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

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  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫