「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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【衛の霊公の無道を言う。康子曰わく、夫れ是の如くんば、奚ぞ喪わざる】 Vol.353

 

子、衛の霊公(れいこう)の無道を言う。康子(こうし)曰わく、夫(そ)れ是(かく)の如くんば、奚(なん)ぞ喪(うしな)わざる、と。孔子曰わく、仲叔圉(ちゅうしゅくぎょ)は賓客を治め、祝鮀(しゅくだ)は宗廟(そうびょう)を治め、王孫賈(おうそんか)は軍旅を治む。夫れ是の如し。奚ぞ其れ喪わん、と。(「憲問第十四」19)

 

  (解説)

孔子が衛国の君主霊公が無道であると非難した。すると季康子が、「そのようであるのに、どうして、国君の地位を失わないのだ」と尋ねた。孔子はこう答えた。「仲叔圉が外国使節に応対し、祝鮀が国家祭祀を司り、王孫賈が軍隊を掌握しております。そうでありますかぎり、国君の地位は揺るぎませぬ」と。論語 加地伸行

 

「霊公」、衛の国の君主。夫人である南子を寵愛し、喜ばせるために、以前から彼女の愛人だった宋朝重臣として迎えたという。国が乱れるのも当然なのかもしれない。

 孔子はその霊公に仕えたことがあるという。

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「仲叔圉」、孔文子のこと。

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「祝鮀」、祝は「はふり」つまり宋廟の神官の意味、鮀が名であるという。

衛の霊公に仕え、ある国際会議で席次争いのとき、雄弁をふるって勝利し名をあげたと桑原はいう。 

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「王孫賈」、衛国の権臣。

「八佾第三」13で、 王孫賈が、孔子に、位が高いだけで実力のない君主(奥)よりも、実権者である自分(竈)に近づく方が現実的ではないかと誘いをかけていた。 

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 それなりの賢臣がおれば、とりあえず国は治るということであろうか。 

 

 「関連文書」  

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 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫