「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【旧貫に仍らば、之を如何せん。何ぞ必ずしも改め作らん】 Vol.270

 

魯人(ろひと)長府(ちょうふ)を為(つく)る。閔子騫(びんしけん)曰わく、旧貫(きゅうかん)に仍(よ)らば、之を如何せん。何ぞ必ずしも改め作らん、と。子曰わく、夫(か)の人は言わず。言えば必ず中(あ)たる有り。(「先進第十一」14)

 

  (解説)

「魯国において、大きな蔵が作られた。閔子騫がこう批判した。「これまでのしきたりどおりにすればどうするだろうか。どうして改築する必要があろうか」。孔子はこういった。「彼はふだんは黙っている。しかし、意見を述べるとき、必ず的を射ている」と。」論語 加地伸行

  

「閔子鶱」、閔損(びんそん)のことで、字名が子鶱。孔子より15歳年少の弟子。孔門の徳行の士として著名であったという。顔淵とともに修養清潔派。

 

 「魯人」は魯の君主からその意を受けた行政者を指す。「長府」は、長い、つまり大きい府(くら)を意味する。「長府」を作ることは、課税を強化し、物資の準備をすることを示しているという。「旧貫」は「旧慣」すなわち「旧例」のこと。

  

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(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)