「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【ウクライナ情勢】なおも引き下がらないプーチンとロシアを離れる人々

 

 ウクライナのゼレンスキー大統領が今宵18:00に国会でオンライン演説するという。その内容に注目が集まる。

ゼレンスキー氏の国会演説、23日午後6時から: 日本経済新聞

 岸田首相は参院予算委員会で「日本への様々な期待や要望があると想像する」と述べ、「どこまで具体的に対応することができるのか、しっかりと考えた上で日本の外交を進めていきたい」と語ったという。

 イタリア議会でのオンライン演説では、「我々は今、生き残れるかの瀬戸際にいる」と述べていたという。

ロシアにとってウクライナは「欧州へのゲート(門)」とも指摘。「彼らの目的は欧州で、あなたたちの生活に影響を与え、政治を管理し、価値を壊すことだ」と警告した。(出所:日本経済新聞

 

 

論語に学ぶ

述べて作らず、信じて、古(いにしえ)を好む。窃(ひそ)かに我を老彭(ろうほう)に比(なぞら)う。(「述而第七」1)

「述べる」とは、昔からあることを伝える、つまり祖述すること。「作る」は新たな創作することで対立する。孔子は、周公以来の礼楽の道をいまに伝えようとすることにあって、自ら新しい型を創り出そうとするものではない。それは殷代の彭祖と同じだとひそかに思っていると意味する。

dsupplying.hatenadiary.jp

「どこの民族にも尚古主義は必ずある」と桑原武夫はいい、それは大雑把にいって、近代科学の起こるまで残存するのではあると指摘する。

 古いものを精根こめて学びとろうとするうちに、もし当人に独異の才能がありとすれば、それは必ずあらわれずにはおかない、と考えるのであって、みだりに幼稚な「独創性」をあわてて発揮しようとはしないのであるという。

 孔子はここで自分の方法をのべているだけであって、その方法によって生れた彼自身の仕事の中にどのような新しさがあるかは、私たちの発見すべきことであるという。 

(引用:「論語桑原武夫

「尚古主義」、古い時代の文物・制度などを尊び、これを模範としてならおうとする考え方。プーチンの先祖返りソビエト志向と同じということであろうか。

 尚古主義に陥るのではなく、ソビエト崩壊によって得ることができた価値をどう文化として発展させてことが求められていたということであろうか。

 

 

ロシアから離れる人々

 映画『グッバイ、レーニン!』(2003年)に出演したロシアの女優チュルパン・ハマートヴァさんが、ウクライナ侵攻を受け亡命していることを明らかにしたという。

ロシア女優、ウクライナ侵攻受け亡命 『グッバイ、レーニン!』出演 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

「自分の目で見ていることや、ウクライナ人の友人から何が起こっているか教えてもらったことをどうしたら無視できるというのだろうか。自分自身と全世界にうそをついて、偽りの中で生きていくことになる」と述べた。(出所:AFP BB NEWS)

 また、ロシア国営テレビ「第1チャンネル」でニュースキャスターを務めたジャンナ・アガラコワさんは軍事侵攻に抗議して辞職したという。

 NHKによると、辞職後、初めてメディアの取材に応じたアガラコワさんは「私たちのニュース番組は権力者とその取り巻きの姿しか伝えていない」と述べ、国営テレビのニュースはプーチン政権のプロパガンダだと告発した。

ロシア国営テレビ 元キャスターの女性が軍事侵攻に抗議し辞職 | NHK | ウクライナ情勢

「私はフランスにいて、守られ、自由だと感じたので辞めることができたが、ロシアにいる同僚たちには家族がいる。人質にとられているようなものだ」と述べ、同僚たちにとって抗議の意思を示すことは簡単ではないと指摘しました。(出所:NHK

 ロシアの国民も戦争を望んでいないのが本音ではなかろうか。

 

 

「教えざる民を以て戦うは、是(これ)之を棄(す)つと謂う」(「子路第十三」30)という。

「軍事を教えない民を用いて戦争するのは、民を棄てるというものである」と意味し、民に軍事教育をしないことを政策とするとも解釈できるという。プロパガンダで戦争を遂行、続けることには無理があるとも言えるのではなかろうか。

dsupplying.hatenadiary.jp

 かつて米国とソビエト連邦が激しく対立し東西冷戦と呼ばれていた。その冷戦が終結し、大国間の対立がなくなり、地域紛争も解決されていくことが期待された。冷戦が終結したときの、あの高ぶりを思い出せば、戦争に発展するような対立は不要なことだとわかるはずだ。

 

「参考文書」

ゼレンスキー氏「生き残れるか瀬戸際」 イタリア議会で: 日本経済新聞