「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

混迷増すウクライナ情勢、どこまでが本気なのか、発言の真意はどこにあるのか

 

 ロシアによるウクライナでの戦争が、世界各国を巻き込んでの舌戦の様相を呈し、混迷さが増しているように見える。

 中国の習主席は、仏独首脳とのオンライン会談で「(米欧などの)制裁は世界の金融、エネルギー、交通、サプライチェーンの安定に衝撃を与える」と発言し、「新型コロナウイルスの流行のもとで世界経済の足を引っ張り、各当事者にとって不利になる」と述べたという。

習氏、ロシア制裁に反対表明 独仏首脳と協議: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、米欧日の制裁でロシア経済は大きな打撃を受ける可能性があり、ロシアの立場を擁護したという。ほんとうにそうなのだろうか。ロシアにはそう受け取ってもらいたいのだろうが、本音は違うところにあるのかもしれない。

 ウクライナのゼレンスキー大統領も連日動画を公開しては、様々な発言を行っている。ロシア、欧米双方に対し、揺さぶりをかけているのだろうか。

 

 

飛行禁止空域

 ゼレンスキー大統領はNATOによる飛行禁止空域の設定を求め、欧米はこれを拒否する。それは大統領を諫める一方で、変わらぬ協力を伝え、ロシアへの警告にもなっているのだろうか。

 米国のメディアでも、様々な専門家が登場してはこの問題について議論を重ねている姿が放映される。未だウクライナは防空能力を維持しており、飛行禁止空域を設定せずとも、それなりに対処能力があるとの読みもあるという。

 英BBCも同様の見立てをする。

西側諸国の武器供与は効果を上げているのか ロシアと戦うウクライナ - BBCニュース

ロシアがウクライナの制空権を確保するのに苦戦していることはうかがえる。

ウクライナ側もロシアとの戦闘で損失を被っている。しかしロシアは今のところ、ウクライナの防空能力と空軍の破壊には至っていないと、ベン・ウォレス英国防相BBCに語った。

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ウォレス氏によると、ウクライナの防空能力の影響で、ロシア軍はすでに、軍用機が検知されないよう夜間の飛行を余儀なくされている。(出所:BBC

 BBCは、ウクライナに渡った武器の数を正確に知るのは難しいと指摘する一方で、米国防当局者は、アメリカと北大西洋条約機構NATO)同盟国から対戦車ミサイル1万7000基とスティンガー2000基がウクライナに輸送されたと話しているという。

 どこまでほんとうのことを伝えているかはわからないが、ロシアの行動を制限している可能性があるのかもしれない。

論語に学ぶ

南容 白圭(はくけい)を三復(さんぷく)す。孔子 其の兄の子を以て之に妻(めあ)わす。(「先進第十一」6)

「弟子の南容は、白圭の詩を何度も読み返していた。その教えをよく理解し、日ごろ、言葉や発言について慎んでいた。そこで、孔子は兄の娘を南容の妻とした」と意味し、発言の慎重さの重要性を説く。

dsupplying.hatenadiary.jp

 「白圭」は、「詩経」抑篇の中の句を指すという。

「白き圭(たま)の玷(か)けたるは尚磨く可きも、斯の言の玷けたるは為(おさ)む可からず」(玉に欠けたところがあっても修復はできるが、失言は回復することができない。)

 孔子はこの慎重な人物なら乱世を無事に切り抜けるに違いないと見込んで姪を与えたと解されている。

 未だに殺戮が続き、多くの人々が難民となっているのが現実だ。今求められているの戦争の勝利ではなく、平和と人命尊重のなのだろう。

 トルコでウクライナ、ロシア双方の外相による会談が今日10日にも開かれるという。お互いの腹を探り合い、まだ心理戦を続けるのだろうか。それとも何かのシグナルが発せられ、停戦へ向かうことはあるのだろうか。