「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【誠に富を以てせず、亦 祗に異を以てす】国のリーダーに選ばれるのは誰か ~ 炉辺閑話 #46

 

 米国の株価が大きく値を下げました。米国がデフォルト 債務不履行に陥ることを懸念してのことのようです。

 ブルームバーグによれば、連邦政府のデフォルト回避に回す手元資金が、約3週間後に尽きる可能性があるといいます。そうした状況下でも、上院で債務上限引き上げを目指す民主党の動きを、共和党が採決阻止で妨害しているといいます。

 

 

 国内では、今日自民党の新しい総裁が選ばれます。菅首相の次の総理大臣になることはほぼ間違いなく、やはり気になります。今日の午後には決まるそうです。

論語の教え

「斉(せい)の景公(けいこう) 馬千駟(せんし)有り。死するの日、民 徳として称(ほ)むる無し。伯夷(はくい)、叔斉(しゅくせい)は首陽(しゅよう)の下(もと)に餓(う)う。民 今に到るまで之を称む。誠に富を以てせず、亦(また)祗(まさ)に異を以てす。其れ斯の謂いか」と論語「季氏第十六」12 にあります。

「斉国の景公は、馬四千余を有するほどの富国の君主であったが、その死後、だれも人格者として賞賛する者はなかった。首陽山に隠れ、餓死した伯夷、叔斉の兄弟は、人々から称賛され今日に至る。「永く賞賛されるのは実に富によるものではなくて、ふつうの人と異なるすぐれた徳行に依る」という詩句は、このことを言うのであろうと、訳されます。

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「景公」、庶子が多く、世嗣(よつぎ)の太子を立てることができず、また重臣の陳氏の勢いが強く、景公の死後に、斉の国では内乱が起きたといいます。

「伯夷、叔斉」、殷王の臣下で、諸侯である周国の君主が殷王を討とうしたとき、諫めたが聞き入れられなかった。その君主は殷王紂(ちゅう)を倒して周王朝を建て、後に武王となる。その行為を二人は恥じて、首陽山に隠れ、周王朝の下でとれた食物を食べず、山菜でしのいだが餓死したという。

 

 

 先の首相が健康を理由に任期途中で職を辞し、その後継首相は、前任者の路線を引き継ぐも、改革を実行して、いくつかの成果をあげる。しかし、コロナ対策でのコミュニケーション不足で支持が急落、再選を目指さず、後継に道を譲ることにしました。コロナ対策に集中したいことが理由のようでしたが、本音がどこにあったかはわかりません。

 ただ、その決断があったから、「変化が起きて、前に進むのではないか」との期待が持てるようになったのかもしれません。

如(も)し王者有らば、必ず世にして而(しか)る後に仁ならん

と、論語子路第十三」12 にあります。

「もし王者があるとするならば、きっと三十年にしてあまねく「仁」にもとにした人の道を守る社会となるであろう」と読まれます。

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「世」、俗体では「丗」と書くという。「十」という字を三つ重ねていることより、三十年を意味するそうです。

「王者」、天から政権担当の命を受けたものといい、真の為政者とでもいうことなのでしょうか。

 新型コロナ、気候変動と大きな問題が山積しています。どちらも人の生命に深くかかわることです。今までのように経済ばかりを重視するのではなく、もっと「仁、人を思う」為政が求められているのかもしれません。

 下馬評では、1回の投票では決まらず、決選投票が不可避のようです。国会議員票で大勢が決するといわれてます。どのような選択をすることになるのでしょうか。重い選択になるはずですが、早くも、2位3位連合で、1位潰しみたいな報道もあります。

 どの国もやっていることはあまり変わりないなと感じてしまいます。人とは人の足を引っ張るのが好きなのでしょうか。人の道から大きく外れているように思えてなりません。どうなるのでしょうか。