「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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【果なるかな、之れ難きこと末し】相反することはないかな「春風接人」と決断、新総裁決まる ~ 炉辺閑話 #47

 

春風接人」、自民党新総裁の座右の銘だそうです。「春風のような優しさで人と接する」ということを意味しているといいます。

 NHKによれば、そのとおり柔らかい語り口や誠実な人柄は誰もが認める一方、「真面目すぎる」との声も聞かれるといいます。

 ところで、昨日大きく下げた株価はどう反応することになるのでしょうか。

 総裁選の結果に、経団連の十倉会長は「大いに期待している」と語り、成長と分配を重視する経済政策「新しい日本型資本主義」と「経団連が提唱しているサステイナブル(持続可能)な資本主義と、軌を一にする」と評価したといいます。

 

 

 早速、記者会見に臨んだ新総裁、自民党改革に触れ、「森友・加計問題」にも言及していました。

 行政の調査や司法の判断を見極めたうえで、「国民にいろいろな意見や思いがあるならば、政治の立場から説明しなければいけない」と述べ、また、2019年の参院選広島選挙区での買収事件についても「必要であるならば説明する」と話しました。

 これらの問題に対して「やはりそうだったか」と、納得できる答えを国民は期待しているはずです。そのような説明はできるのでしょうか。

 政治的な人間関係を度返し、たんたんと説明して欲しいものです。もしかしたら、その先に自民党改革があるのかもしれません。

論語の教え

「道に聴きて塗(みち)に説くは、徳を之れ棄(す)つるなり」と、論語「陽貨第十七」12 にあります。

「受け売りをするのは、自分で不道徳となってしまう」との訓戒です。

 他者から中途半端に知り得た知識(道徳)をそのまま説こうとすれば、中途半端な話になってしまい、自分を安売りするようなもので、自分の「徳」を傷つけることになるといいます。

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 新総裁は自身で「聞き上手」といいます。こうした訓戒を活かし、説明責任を果たして欲しいものです。

 

果なるかな、之れ難きこと末し

「心有るかな、磬(けい)を撃つや、と。既にして曰わく、鄙(ひ)なるかな、硜硜(こうこう)乎(こ)たり。己を知る莫(な)ければ、斯(すなわ)ち已(や)むのみ。深ければ則ち厲(れい)し、浅ければ則ち掲(かか)ぐ。子曰わく、果なるかな、之れ難(かた)きこと末(な)し」と、論語「憲問第十四」39 にあります。

「無心でないな、あの磬の打ちかたは」、「卑しい感じよ、小さく堅く固まっている。だれも自分の値打ちが分からんと言うのなら、廃業するまでのこと。水が深ければ、袴は脱いで、水が浅ければ、裾をからげて」と語る隠者に、孔子「単純な思い切りよ。そんな行動は難しくないわ」と答えたといいます。

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朝日新聞によれば、新総裁は政調会長時代から「決められない」と指摘する声があったそうです。それに対して、新総裁は「政治にとって決断力、これは大変重要だと思う」と切り出し、「必要な場面で必要な決断の仕方を判断する、それが政治にとって大事だと思う」と語ったといいます。

また「私はできるだけ多くの皆さんの声を聞いた上で決断するという手法を、できるだけ大事にしていきたいとは思っている」と改めて自らの政治手法を訴える一方、「いずれにせよ決断をするのは政治であって、総理だと思っている。丁寧で寛容な政治を進めながらも決断するべき時はしっかり決断したいと思っている」と語った。(出所:朝日新聞) 

 今日には自民党役員人事が決まるといいます。

 それを見ると、「これから」が少し見えてくるのかもしれません。