「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【如し其の情を得ば、則ち哀矜して喜ぶこと勿かれ】 Vol.496

 

孟氏(もうし) 陽膚(ようふ)をして士師(しし)為(た)ら使(し)む。曾子(そうし)に問う。曾子曰わく、上(かみ) 其の道を失い、民 散ずること久し。如(も)し其の情を得ば、則(すなわ)ち哀矜(あいきょう)して喜ぶこと勿(な)かれ。(「子張第十九」19)

 

(解説)

孟氏が陽膚を士師に任用しようとした。陽膚は曾子にその心得を問うた。曾子はこう答えた。「為政者が道義を失い、民の心はばらばらになってもう長い。もし民の実情を得ることがあっても、むしろ哀しみ憐れと思い、喜ぶことがないようにせよ」と。 論語 加地伸行

 

 「士師」、裁判官。

 

 

 

 「曾子」、姓は曾、名は参。字名は子與。親孝行で有名だという。孔子より46歳年少で門下の年少グループに属したが、孔子の死後やがてその学団の長となって、儒教の正統を伝えた人といわれる。曾子から子思(しし:孔子の孫)へ、さらに性善説孟子へと伝わったといわれる。

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 「柳下恵」、「士師」に任じられ、三度も免職されたという。曾子は、その「柳下恵」を想像したのだろうか。 

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 その「柳下恵」は論語に度々登場する賢者の7名といわれる。

 

「関連文書」

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(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

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  • 作者:加地 伸行
  • 発売日: 2009/09/10
  • メディア: 文庫
 
論語 (ちくま文庫)

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  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫