「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

裁判官にインサイダー取引の疑い、ダメになっていく日本、崩壊する秩序

 日本がダメな国になったとつくづく感じます。27日投開票の衆議院選に向け、各候補者の主張を聞いていると、戦略どころか論理もなく、こりゃあダメだになります。

 主張する政策の裏返しが現実の世の中なのでしょう。それなのに長く政権を担ってきた自民党は政策実行力を強調します。ダメな国にする政策実行力は他の追従を許さないということなのでしょう。それを首相を筆頭にして党幹部が大真面目になって語っているのですからもう呆れるしかありません。

 

 

 石破首相が街頭演説で、裏金問題に対し「幾重にもおわびしなければならない」と述べていました。また、「コストをカットする形の経済を改め、成長型の付加価値をつけていく形に抜本的に転換し、国民生活を向上させる経済を必ず実現する。物価上昇に負けない賃金上昇を必ず実現する」といいます。

石破内閣は国民に見限られた? 支持率28%の危険水域 原因は「 安倍一強」に甘えた自民党のレベル | AERA dot. (アエラドット)

 これまでの政治が国民を痛めつけるためにあったと暗に認めたようなものです。恐ろしい政策実行力です。それでどうして引き続き自民党公明党に政権を担わせることができるのでしょうか。

 せっかく「虎に翼」が盛り上がったというのに、裁判官がインサイダー取引に手を染めるようになったようです(疑い)。SNSを介した闇バイトによる緊縛強盗が横行しています。秩序がガラガラと音を立てて壊れ、治安が悪化していくようです。なぜにこんなに国になってしまったのでしょうか。議員たちがいかがわしい団体とずぶずぶの関係になったり、裏でこっそりカネをため込んだり、率先して秩序を壊しているのですから、こうなるのも自然な流れなのでしょう。

 

 

論語に学ぶ

子貢曰わく、夫子(ふうし)の文章は、得て聞く可(べ)し。夫子の性と天道とを言うは、得て聞く可(べ)からざるなり。(「公冶長第五」13)

 弟子の子貢が「孔子から文章、古典学は学ぶことができた。しかし、「性」本質・実態とか「天道」普遍的なるものといった哲学的な議論は学ぶことができなかった」といいました。

dsupplying.hatenadiary.jp

「天道は是か非か」、公平とされるこの世の道理は、果たして正しいものに味方していると言えるのだろうか。疑わしいかぎりと意味する司馬遷の言葉です。現世になってもなお、これを問わなければならないようです。今の秩序の乱れからすれば、道理が捻じ曲げられているということなのでしょう。

 

 

 NTTが2023年7月、「京都哲学研究所」を設立したそうです。「科学技術の進展と経済的繁栄が、必ずしも人々のウェルビーイングや世界の平和に直結しないことが明らかとなった今日、改めて『本当の幸せとは何か』『目指すべき価値とは何か』を問うためのようです。

[新連載]NTT、哲学研究所設立の真意 澤田会長「目指すべき価値を問う」:日経ビジネス電子版

 テクノロジーが、社会のあり方や人間性、人間観などに影響を及ぼすようになり、また、世界で様々な価値観が交錯するようになった現代において、対立するのでも、統合するのでもなく、互いの価値を認め合って包摂するためには、哲学的議論が必要になっていることが背景にあるそうです。現世がやはりおかしいということになっているからなのでしょうか。

 国の統治においてもこうした議論があってよさそうな気がします。おかしな道理を押しつける政治はもうこりごりなので。一強多弱を是正し、正しい道理、秩序を取り戻さないととめどなくダメになっていきそうです。

 

 

「参考文書」

比例自民22%、3ポイント減 立民と8ポイント差に縮小 | 共同通信

衆議院選挙 公示後 初めての週末 各党の党首 演説し支持訴え | NHK | 衆議院選挙

金融庁に出向直後から不正取引か インサイダー疑いの裁判官 | 共同通信

日本は「変化促す動きが弱い」 MIT教授アセモグル氏:朝日新聞デジタル

悪質SNS「現代の最悪の罪」 ノーベル経済学賞アセモグル氏会見 | 毎日新聞

民主主義に改良の余地あり オードリー・タン前台湾デジタル相 - 日本経済新聞