「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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値を戻す日経平均株価、あのパニック売りは何だったのか、その正体

 なぜ世界同時株安がおきたのか、専門家たちは「円キャリー・トレード」の解消という結論を導き出したようです。米国雇用統計を端にした米経済見通しが急速に悪化したことだけでは説明できないといいます。

焦点:世界株安、米経済見通しよりキャリートレード巻き戻しの影響大 | ロイター

 ゼロ金利に近い日本円を借り入れ、その資金を米国株式や債券など高利回り資産に振り向ける「キャリートレード」がさかんに行われていたといいますが、投資家の不意を突くように円高が急速に進み、それが端緒になってパニック売りに拡大していったとの見立てのようです。日銀の追加利上げと植田総裁のタカ派発言が「植田ショック」となったこともその一因とみられているようです。

 

 

 この騒動で「円キャリー・トレード」の第三幕が閉じ、円安局面に変化が生じるのではないかといいます。これまでの経験則からすると1ドル=130円台もあり得るようです。

【ドル円相場】円キャリー、第3次ブームに幕 130円台視野 生田弦己 - 日本経済新聞

 円は、最も過小評価されている通貨の一つになっていましたが、その評価は見直されることはあるのでしょうか。

 ひとまず原因がわかれば安堵できます。見える景色も変わりますし、抱える問題も理解できます。大きくダメージを受けた日経平均株価が史上最高を更新するくらいに勢いを取り戻すにはどのくらい時間を要するのでしょうか。

 今日は値を下げての取引開始だったようですが、また値を上げています。円高もいくぶん緩やかになっていそうです。

 

 

 米国ではインテル株がさえないようです。AIブームに取り残されたのが敗因と分析されています。数十年にわたり半導体業界で支配的地位を占めてきたインテルでさえ停滞する、ビジネスの世界の厳しさを改めて感じます。

インテル株急落、一時29%安-低調な業績見通しと1.5万人削減を嫌気 - Bloomberg

 このまま状況を放置することはないのでしょう。まずはコスト削減を実行し、その後、成長プランをアピールすることになるのでしょうか。絶好調のエヌビディアも油断があれば、インテルの二の舞もあるのかもしれません。

論語に学ぶ

子路(しろ)曰わく、衛君 子を待ちて政を為さば、子 将(まさ)に奚(なに)をか先にせんとする、と。子曰わく、必ずや名を正さんか、と。子路曰わく、是れ有るかな、子の迂(う)なるや。奚(いずくん)ぞ其れ正さん、と。子曰わく、野(や)なるかな、由(ゆう)や。君子は其の知らざる所に於いては、蓋(けだ)し闕如(けつじょ)たり。名正しからざれば、則ち言順(げんじゅん)ならず。言順ならざれば、則ち事成らず、事成らざれば、則ち礼楽(れいがく)興(おこ)らず。礼楽興らざれば、則ち刑罰 中(あ)たらず。刑罰 中たらざれば、則ち民 手足を錯(お)く所無し。故に君子 之を名づくれば、必ず言う可し。之を言えば、必ず行う可し。君子は其の言に於いて、苟(いやしく)もする所 無きのみ、と。(「子路第十三」3)

 弟子の子路が「衛の国君が、先生を礼遇して政治を委ねられるとしますならば、先生は何から手をつけようとなされまするか」とたずねました。孔子は「決まっている、名を正すことだ」と答えました。子路は「それですよ。先生の考えは現実離れしています。どうして名を正すなどということでいいものですか」といいました。すると孔子は「現実的過ぎるぞ由よ。君子 教養人たる者は、自分が知らないことについては、知らないままにすることだ。名が正しくなければ、言が妥当でない。言が妥当でないと、政事が達成されない。政事が達成されないと、礼楽が盛んとならなくなる。礼楽が盛んにならないと、刑罰が当を得なくなる。刑罰が当を得なくなると、民には不安でゆっくり手足を伸ばして安らかに暮らすことができなくなる。だからこそ、君子 教養人は、名づければ、主張の筋を通すことができ、それができると政事ができる。その発言においては、軽はずみがあってはならない」と諭しました。

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 当時の衛の国は乱れに乱れていたといいます。「名」は「名分」を意味しているといわれます。「名分」、立場に応じて守らなければならない本分を忘れると秩序の乱れが生じるということでもあるのでしょうか。

 

 

 連日、オリンピックで日本人アスリートたちが活躍しています。もっと多くの日本人が世界の舞台で活躍できそうなものです。その成功の秘密を知って、それを模せばいいのではないかと思います。それはありがちな根性論ということはなさそうです。まずはどんなゲームにもルールがあることを知らなければならないのでしょうか。

 

 

「参考文書」

日銀の利上げがきっかけ?…「キャリートレード」が世界の株価を圧迫している理由 | Business Insider Japan

キャリートレード巻き戻しはまだ半ば、せいぜい60%-JPモルガン - Bloomberg