「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

パリオリンピックと長崎原爆の日、平和祈念式典を欠席する西側大使

 ただ単純に平和の祭典オリンピックを楽しみたいのですが、なかなかそれを許してくれないようです。ウクライナが越境攻撃し、ロシア側の集落を制圧したそうです。中東でも緊迫度が高まり、イランが報復の準備を進め、イスラエルは厳戒体制を敷き、攻撃に備えているといいます。戦時下のような情勢が続きます。

欧米大使、長崎の平和式典欠席へ イスラエル非招待受け 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

 長崎市で開催される「原爆の日」の平和祈念式典に西側諸国の大使が参加せず、格下の外交官が出席することになるといいます。

 

 

 ガザで戦闘を続けるイスラエル駐日大使を招待しなかったことが理由のようです。同じく式典に招待されていないロシアやベラルーシと同様の扱いとなって不幸な誤解を生むと駐日英国大使は批判、「長崎市長の判断によって式典が政治化された」とエマニュエル駐日米大使は出席を見合わせる理由を語っています。平和祈念なのですから、その対応に疑問に感じたります。

 パリオリンピックが開催されているフランス大使も式典を欠席するそうです。五輪開会式で「自由、平等、博愛」を示していながら、現実においてはそれに背くような行動に疑問を感じます。

 

 

 世界同時株安が生じ、経済もまた不安定さが増しています。問題視されている円キャリー・トレードはまだ積み残しがあり、波乱要因を解消できていないようです。

 社会においては、東京女子医科大学の同窓会組織で不透明な資金支出があったとして、岩本理事長を解任したそうです。岩本氏に権限が集中する「1強体制」でガバナンスが機能不全があったことが原因だったと第三者委員会の調査報告書は指摘しているといいます。

東京女子医科大の理事長解任を決定、不透明な資金支出問題巡り - 日本経済新聞

 またガバナンス不全の問題が露呈しています。「1強体制」、まるで自民党の写し鏡のような事件です。こんな風潮がいつまで続くのでしょうか。ほんとうに嫌になります。

論語に学ぶ

紫の朱を奪うを悪(にく)む。鄭声(ていせい)の雅楽を乱るを悪む。利口の邦家を覆すを悪む、と。子曰わく、予 言うこと無からんと欲す、と。子貢(しこう)曰わく、子 如(も)し言わざれば、則(すなわ)ち小子(しょうし)何をか述べん、と。子曰わく、天 何をか言わん。四時(しじ)行なわれ、百物生ず。天 何をか言わん、と。(「陽貨第十七」16)

 間色の紫色が流行して、正色の朱色より増えているのをとがめる。官能的な鄭系の音楽が流行して優美な正統系の音楽よりも世に受けているのを非難する。耳に心地よい邪道な弁舌が、国家を覆すのを憎む。私はもう発言して教えることをやめようと思うと孔子は言いました。弟子の子貢が「先生がもし黙ってしまうなら、我々弟子たちは何を伝えてゆけばいいのですか」といいました。「天は何も指導していない。しかし、四季は自然とめぐるし諸物は生育しておる。天は何も教えていない」と孔子は言いました。 

dsupplying.hatenadiary.jp

「朱を奪う紫」という言葉があります。この章が語源とされ、まがいものが本物にとってかわり、その地位を奪うことのたとえで、また、似て非なるものとの意味もあります。

 

 

 この嫌な風潮はいつまで続くから抜け出るにはどうすればいいのでしょうか。明快な解もなさそうです。

お金があればあるほど必要なものが増えていき、持っているものが多いほど持っていないものへの執着心にかき乱されるという矛盾に陥る。そうならないためには、心の掟(おきて)に従って生活すること...(中略)... 水平線の彼方にあるような素晴らしいものにばかり心を奪われて、人類とか社会のために情熱を注ぐ。そういう人は、すぐそばにある人々の問題には目もくれないことが多い。(出所:HITACHI)

 おカネに対する緩みっぱなしの規律をもう少しコントロールすべきのようです。ついつい仕事してはこれでいくら儲かるとか、私欲ばかりを考えるのがよくないといいます。そんなことを考える人が大きな仕事ができる訳がないともいいます。

 

 

可能性が無限に広がっているというのは気のせいで、それを追いかけていたら時間がいくらあっても足りない。それよりも自分にとって大切なことを主体的に選び取ることが重要です。チャンスを逃したらどうしようと思う人が多いのですが、実際のところ人間はほとんどのチャンスを逃しているわけです。もう全部手に入れるという幻想を手放して、一握りの重要なことに集中するべきだ。(出所:HITACHI)

 誰もが偉大な人物になれるわけではないのに、期待値の設定を間違えて、社会変革とか大言壮語することがよくない、それよりは人間一人ひとりは浜辺の砂粒みたいなものと自覚し、そんな砂粒の集積で社会は成り立っていると思えば、自分の役割なり、天命への目覚めもあるのかもしれません。

 オリンピックを見て思うのは、アスリートたちはそういうことを自覚していそう気もします。

 もし世の権力者たちの心構えが変わり、影響力の行使の仕方を間違えなければ、世の風潮は変わっていくような気がします。

 

「参考文書」

ウクライナ軍、ロシア3集落制圧 国境で激戦、新兵捕虜に:時事ドットコム

ウクライナ軍、ロシアに越境攻撃-2022年の侵攻後で最大規模 - Bloomberg

イスラエル、報復攻撃に厳戒態勢 輸血用血液の備蓄など緊迫高まる | ロイター

休暇の読書にお薦めしたい本―その1 『限りある時間の使い方』『簡素な生き方』 - Executive Foresight Online:日立