米国 コロンビア大学で始まった反戦運動が米国内で拡大、欧州の大学にも飛び火し、日本において声を上げる学生が出てきたようです。東京大駒場キャンパスに4張りのテントが並び、「ガザを殺すな」と記された画用紙を掲げる学生もいるそうです。
「ガザを殺すな」東大キャンパスにテントが出現した 暴力に「むかつく」若者たち 日本でも広がる抗議の輪:東京新聞 TOKYO Web
京都大にも「連帯キャンプ」が発足し、筑波大などでは有志がガザ関連の本を読んで抵抗する「本読みデモ」が行われ、日本の大学でも抗議が広がりつつあるようです。
「ウクライナに侵攻したロシアを強く批判しているのに、イスラエルに対して沈黙するのはダブルスタンダードだ」、東大駒場パレスチナ連帯キャンプ運営委員会はそう主張し、大学本部に対し「即時停戦」「イスラエルや関係企業との断交を」を盛り込んだ声明を出すよう求めているといいます。
アート作家110人も声を上げているそうです。「社会をつくっているのは市民。言っても変わらないとは思わない」、「子どもでも怖くなく、無関心な人にもやわらかく、パレスチナのことを思ってほしい」と、アート作家は語っています。
しかし、現実は厳しく休戦合意に向けた交渉はまた頓挫し、振り出しに戻ったようです。保守強硬派と連立政権を組む、ネタニヤフ首相の強硬姿勢に変化はないようです。日本の政治と同様に政権への執着が過ぎるがための所業なのでしょうか。
米国の学生たちは自分たちの問題と本気で考え、自分たちの政府が最大のイスラエル支援国家だから、身体を張って止めなければならないと思っているそうです。
ガザでの未曽有の虐殺にバイデンが加担していることに深い怒りと絶望を感じている。(出所:東京新聞)
イスラエルの軍事行動を止められないバイデン政権へ失望しているといいます。大統領選を控え、バイデン大統領もこうした声を無視できなくなっているようです。イスラエルへの武器供与停止に言及し、イスラエルへ過去最大の警告を発しています。学生たちが上げた声が影響したのかもしれません。若い人たちの声が、古い世代の人々に時代の変化を警告するものになったのでしょうか。
ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランが「時代は変わる」と唄っています。なんやかんやといいつつも米国は、こうした抗議の声で少しずつ変化することができるのかもしれません。
ロシアではプーチン大統領が再選となり、ウクライナへの軍事侵攻が止む気配がありません。イランでは、ヒジャブを適切に着用していないとして女性が逮捕され拘留中に急死した事件を受け、抗議活動が活発化する一方、当局による弾圧が続いているようです。
世界のあちこちで強硬派政権による圧政が人々を苦しめていそうです。憎悪と分断の連鎖の激化につながっているのではないでしょうか。日本もそのひとつの国となっていそうです。
自民党の横暴が続いています。政治改革を巡る混乱からしてそれは明らかです。こんな状態が良いものであるはずはありません。
「We’re one, but we’re not the same. Well, we hurt each other, then we do it again.」、「俺たちはひとつ、だけど同じじゃない、互いに傷つけ合い、そしてやり直す」と、U2は唄います。
「We’re one, but we’re not the same.」、異なる価値観を持つ者同士、互いに支え合うことができればいいのになかなか難しいということなのかもしれます。ひとつになることは、決してまったく同じになることではないと唄っています。
論語に学ぶ
子 人と歌いて善ければ、必ず之を反(かえ)さしめ、而(しか)る後に之に和す。(「述而第七」31)
孔子は他の人と一緒に歌の会を開くときに、もしいい歌を聞くと、それをもう一度歌ってもらい、そのあとで今度は自分も加わって合唱しました。
孔子はほんとうに歌が好きだったようです。情報が少ない古代にあってはそれが人々の感情を理解できる貴重な手段であったからかもしれません。
現代の政治家もそうした音楽の意味を知り、人々と和して合唱できるようになれば、政治がもっとよくなっていくのかなと思います。
「参考文書」
【解説】 なぜアメリカは武器供与の停止に言及したのか イスラエルへ過去最大の警告 - BBCニュース
【解説】女性の権利のために声をあげたイラン人ラッパーに「死刑判決」 | クーリエ・ジャポン