「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

宮崎シーガイア売却、売られる事業、相次ぐ大手の構造改革

 セブン&アイ・ホールディングスが、通販大手ニッセンホールディングスの全株式を売却し、セガサミーホールディングスは、宮崎県の「フェニックス・シーガイア・リゾート」を売却するそうです。

 大手各社が構造改革を進めているのでしょうか。こうした動きが加速しているようにも見えます。

 上手くいくはずの戦略が思い描いた通りに成長しなかったということでしょうか。トップの決断のミスだったのか、それともその後の運営に問題があったのか。その理由を的確に捉えることができれば、同じようなミスはなくなり、持続的な成長も叶うようになるのでしょうか。

 

 

 ソフトバンクグループが、ビジョン・ファンド保有の上場株式について、ひそかに売却または減損処理を行っていたそうです。孫社長の心変わりなのか、かつて熱中していたベンチャーキャピタル取引から、半導体やAI 人工知能への戦略的投資にシフトしているようだといいます。

ソフトバンクG、ビジョンFの資産売却進める-AIや半導体にシフト - Bloomberg

 ビジョン・ファンドも、従業員を100人余り解雇し、今は損失が生まれないように保有資産を売却、利益確保に努め、かつての面影がなくなっているといいます。構造改革を余儀なくされた理由は何なのでしょうか

孫氏が計画している可能性のあるプロジェクトの一つは、エヌビディアに対抗し、AIサービスの開発に必要な半導体を供給する1000億ドル規模の半導体ベンチャーを立ち上げることだ。関係者によると、この計画はまだ流動的だという。(出所:ブルームバーグ

 自らハードウエアに挑戦しようということでしょうか。戦略の大転換のようにも見えます。世界の名だたる競合がひしめく中で勝ち残る戦略を描けるのでしょうか。

 

 

論語に学ぶ

季康子問えらく、仲由(ちゅうゆう)は政に従わ使(し)む可(べ)きか、と。子曰わく、由や果。政に従うに於いて、何か有らん、と。曰わく、賜や政に従わ使む可きか、と。曰わく、賜や達なり。政に従うにおいて、何か有らん、と。曰わく、求や政に従わ使む可きか、と。曰わく、求や芸なり。政に従うに於いて、何か有らん、と。(「雍也第六」8)

 魯の国の宰相 季康子が、「弟子の仲由(子路)が執政たりうるのか」と尋ねます。孔子は「子路は果断、執政として問題ない」と答えました。次に「弟子の賜(子貢)は」と尋ねます。孔子は「子貢は達見、執政として問題ない」と答えました。さらに「求(冉求)はいかがか」と。孔子は「冉求は「芸」多才、執政として問題ない」と答えました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 弟子たちそれぞれの独特の才能からして、政治くらい楽にできると孔子は確信を持っていたといいます。その才がリーダーとしての武器となるとみているのでしょうか。しかし、その才が最大限に活かされるのは、時々の世相が求めるものと合致したときなのかもしれません。

 

 

 孫社長は果断の人なのかもしれません。聞く耳を持たない、権力志向の従来型のリーダーだったりしたのでしょうか。もしかしたらこのタイプのリーダーはこの時代に適合していないのかもしれないのかなとも思います。

SBIホール

 SBIホールディングスの北尾社長が業績発表の場で、懸案事項だったSBI証券の国内株式の売買手数料無料化の影響は想定通りだと語ったといいます。利益を逸することにはなったそうですが、口座数が増え信用取引残高が急拡大したといいます。「顧客が増え、生態系に波及効果をもたらし全体として大きなプラスを生み出した」とも話したといいます。

SBI、手数料無料化も純利益2.4倍 「公的資金完済で飛躍」と北尾社長 | ロイター

 今後の関心事は、投資を決めた半導体と銀行事業と説明、国内金利の上昇を見据えて銀行事業へ経営資源を振り向ける方針を示したといいます。

 驚くような利益を上げていることはないようですが、それでも堅実に成長しているようです。北尾社長は果断の人というよりは「達見」の人なのかもしれません。それに加え、周囲に果断の人や芸の人も揃え、聞く耳を持ったリーダーだったりするのでしょうか。

 政治の世界はどうなのでしょうか。企業経営とは単純比較はできないのでしょうが、それなりに人材がいるはずなのに、それを活かせずにいるように思えてなりません。やはり権力志向の従来型のリーダータイプばかりが多く、聞き耳をもつリーダーが埋没してしまうのでしょうか。それゆえに政治改革も思うように進まないのかもしれません。改革の進行なくして、変わるということありえません。これでは国の成長はおろか停滞が続くだけのような気がします。

 

「参考文書」

通販のニッセンを売却 41億円で歯愛メディカルに―セブン&アイ:時事ドットコム