日経平均株価が一時の勢いを失ったのでしょうか。3万8000円台でもみ合う状況が続いています。改革期待で盛り上がり、4万3千円とか4万5千円も期待できるとの話がうそのようです。期待はしぼんでしまったのでしょうか。
日経平均株価、遠のく4万円 「減益」予想で強まる割高感 - 日本経済新聞
2024年3月期の決算発表と同時に発表される25年3月期の業績予想が期待とは裏腹に弱さが目立っていることが理由のようです。期待に応える実力が日本企業には備わっていないということなのでしょうか。
期待を裏切るのは企業ばかりでなく、政治においても同様のようです。水俣病の患者・被害者らと伊藤環境相が懇談中に、環境省職員がマイクを切って被害者側の発言を遮り、環境相が被害者側に直接謝罪する事態に発展しました。
水俣病被害者側のマイクを切って発言を遮った政府が謝罪 岸田政権の「聞かない力」がとても強い:東京新聞 TOKYO Web
被害の切実な訴えを聞く場での大失態といいます。批判に耳を傾けようとしない政権の姿勢が目立ち、不誠実な対応がまたしても繰り返されているといいます。
政治改革
国会においても同様です。GW期間中盛り上がった首相の国賓待遇での訪米も、連休が明けると急速にしぼんで、話題は政治改革に移ったようです。
読む政治:「薄氷」の与党合意 首相主導、自民内に不満「支持率しか頭にない」 | 毎日新聞
しかし、進捗は遅々たるもので、内容も期待を裏切るものになっていくようです。
日増しに政治の無能さがあらわになっていきます。政治が善悪をあいまいなものにし、また問題を解決に導くものではなく、混乱を招くもとになったかのようです。こまったものです。
論語に学ぶ
之を知る者は、之を好む者に如(し)からず。之を好む者は、之を楽しむ者に如からず。(「雍也第六」20)
知るだけでは、好きであることに及ばない。好きになっても、楽しむことができなければ、それに及ばないと、孔子は言いました。
「知」は客体の認識、「好」は客体への傾斜つまり関心、そして、「楽」は客体の中に入ってあるいはそれと一体化して安住することといいます。最初の二段階を経て、第三段階の安らぎの理想境に達するとするのであるといいます。しかし、いきなりそこに到達することは許されないのであって、漸次的完成がなければならないともいいます。また、第一、第二段階があるから社会が動くともいいます。
「楽」真に楽しむということをみなが忘れ去ってしまっているのではないのでしょうか。ここ最近の出来事はとても楽しめるものでなく、まして好きになれるようなものでありません。企業も政府も自ら楽しめる環境を創造していかなければならないはずです。
熾烈さ増すポイント経済圏競争、JR東日本も参入
JR東日本が、ネット銀行サービス「JRE BANK」を始めたそうです。預金や住宅ローンなど一般的な銀行のサービスの他、鉄道会社ならではのさまざまな特典を受けることができるといいます。
【解説】JR東日本がネット銀行「JRE BANK」開始 ポイント経済圏拡大で“ポイ活”は?|日テレNEWS NNN
JR東日本もポイント経済圏に参入のようです。今さら競争が熾烈なレッドオーシャンに参入して「楽」できるのでしょうか。
ポイント経済圏は便利で有益なのかもしれませんが、それほどに意味あるものではなくなっているような気もします。それよりは鉄道会社ならではの新しい意味あるサービス、価値の創造があってもよさそうです。それがうまく社会に浸透すれば、それこそイノベーションなるのですから。
働き方改革
時間外労働の上限規制が導入された働き方改革関連法の施行から、5年経つそうです。厚生労働省が働き方の多様化に対応するため、労働基準法などを抜本的な見直するため、議論が進めているといいます。「40年に1度」の大改正となるのか、関心が高まっているそうです。
低賃金ニッポン、多様化したのは働き方ではなく「使い捨て人材」:日経ビジネス電子版
「自分のライフスタイルに合わせた働き方ができて最高」、会社員も公務員もギグワーカーも政治家も官僚もみんながそう感じる働き方にはなればいいのでしょう。
しかし、これまでの改革で、働き方が「多様化」したのではなく、「働かせ方」が多様化したでけではないのかといいます。そうなのかもしれません。厚労省が進めようとする改革で、働くことで幸せになれる社会が実現するのかと疑問を投げかけています。
ここ最近の世の中を見ていると、どんどんと自由が奪われ、足の引っ張り合いが常態化し、創造性を発揮する機会も失われているように感じます。その結果なのかはわかりませんが、企業から生まれるものは類似なサービスばかりで新鮮さを感じるようなものがありません。芸能・文化においても同様な気がします。このままでは世界から置いていかれ、ますます埋没していくだけです。
これがみなが望んだ未来なのでしょうか。何か悪い方向へ悪い方向へと導かれていくように感じてなりません。勘違いならいいのですが。
「参考文書」
環境省、大臣に批判やまず 「大きな問題になるとは」 | 共同通信
不信と悲観、既に岩盤化 政治意識の現在を問う 井田正道・明治大学教授 - 日本経済新聞
いまどき労基法へ改正議論 多様化する働き方・労働者、崩れる制定時の前提 厚労省研究会:朝日新聞デジタル
退職金ゼロにする奇策が全国自治体で横行 非正規公務員5.8万人、勤務が毎日15分短いだけで「パート扱い」:東京新聞 TOKYO Web