「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

新紙幣の流通始まる、待たれる現代の渋沢栄一

 新紙幣の発行を始まったそうです。新しい1万円札には日本の資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一が描かれ、新5千円札には津田梅子、新千円札は北里柴三郎が採用されているといいます。

新紙幣の発行始まる 「渋沢栄一1万円」お目見え - 日本経済新聞

 偽造防止が主な紙幣変更の主な理由といわれますが、ATMやレジ、自販機などの入れ替え特需の狙いもあったりしたのでしょうか。一方で、キャッシュレス化が進み、店舗によっては新紙幣への対応を見送っているそうです。紙幣変更で気分一新、経済情勢に変化があって欲しいものです。

 

 

 新1万円札に描かれた「近代日本経済の父」渋沢栄一の思想を知ろうと、著書「論語と算盤」の売り上げが伸びているそうです。

新紙幣発行を機に販売増えた「渋沢栄一の思想」紹介した書籍も | NHK

 この本は、経済活動と道徳の両立の重要性を説いた栄一の講演内容をまとめたものです。

論語と算盤』自体は、ビジネスだけでなく、人としてのありかたや、社会の公益性を結び付けて考えていく一冊で、これからの社会のニーズに合っていることから、多くの人に関心をもってもらっているのではないか。(出所:NHK

 何においてもモラルや倫理が失われているのではないかと感じる今日この頃、栄一の思想に一定のニーズがあるのもわかる気がします。

 

 

論語に学ぶ

富 求む可(べ)くんば、執鞭(しつべん)の士と雖(いえど)も、吾も亦(また)之を為さん。如(も)し求む可からずんば、吾が好む所に従わん。(「述而第七」11)

 どんと儲かることができるものならば、通行者の整理のような仕事であろうと、私はそれをしよう。しかし、それによって特段儲かるような仕事でないのならば、貧乏を覚悟で自分の好きな道に没頭して暮らしたいと孔子は言いました。 

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 渋沢栄一はこの孔子の言葉を「論語と算盤」で、「まっとうな生き方によって得られるならば、どんな賤しい仕事についても金儲けせよ。しかし、まっとうではない手段をとるくらいなら、むしろ貧賤でいなさい」との意味があると解説し、この言葉の裏にある「正しい道を踏んで」ということに注意しなければならないといいます。

....もっとも孔子のいう富は、何があっても正しいと認められる富のことだ。正しくない富や、道にはずれた名声であれば、いわゆる「浮き雲」のようで、すぐに消えてしまうはずだと栄一は解説します。

 

 

 日経平均株価が4万円を回復しました。「トランプ相場」を先取りした動きのようだといいます。前回トランプ氏が当選したときの株価急騰、いわゆる「トランプ・ラリー」の再来をイメージしてとのことのようで、根拠のない思惑先行の上昇とみられているようです。

東京株、4万円台回復 金融株主導、3カ月ぶり:時事ドットコム

 11月の米大統領選までまだ時間があるため、株高の持続性は不透明感があるといいます。いずれにせよ、日本株は米経済次第という状況が続くというところでしょうか。

 こんな経済状態である日本を渋沢栄一だったらどうみるのでしょうか。

渋沢栄一は経済も外交も政府任せを脱して、民間が大きな役割を担う理想を掲げた。(出所:日本経済新聞

 政府を厳しく批判し、道徳の回復を求めたりしそうな気もします。今ある経済3団体をうまく使って、政府に提言し、ビジネスにおけるモラルや倫理の回復を求め、業界の活性化にも動き、新規事業の創出に奔走しそうです。

 今、明治期の経済人に学ぶことは大いにありそうな気がします。

 

「参考文書」

ユニクロ柳井正氏「国境はない、企業のチャンスは無限」 超・渋沢論③私はこう生かす - 日本経済新聞

 

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