SDGsがそこら中にあふれ、当たり前のように語られ、よりよい世界、よりよい未来社会のために、よりよい選択をしようと呼びかけられています。
しかし、現実の世界では、紛争地でダムが決壊し、広大な地域が水浸しになり、大きな被害になっているといいます。国内では子どもが年々に減り続け、国の未来が心配されます。
より良い選択ができるように政府が配慮してくれればいいのですが、国民の関心を引くような、いつものバラマキ政策で、次の選挙で勝利することばかりを考えているようです。異次元の少子化対策といいますが、子どもの数が反転することはあるのでしょうか。
持続可能な社会の実現ではなく、何ら変わらない現実を突きつけられているような気がします。
論語に学ぶ
之を知る者は、之を好む者に如(し)からず。之を好む者は、之を楽しむ者に如からず。(「雍也第六」20)
「知」は客体の認識、「好」は客体への傾斜つまり関心、そして、「楽」は客体の中に入ってあるいはそれと一体化して安住することを意味します。知って、好きになって、安らぎの理想境に達し、楽しむことができるということのようです。
この言葉の之を学問や道徳と捉えずに、およそものごとはそういうものであると解釈すべきといいますが、一方で、「知」「好」の二段階がなければ社会は動かないであろうし、それを軽視することはできないともいいます。
著名な建築家である安藤忠雄さんが設計した認定こども園の円形園舎が完成し、子どもたちが元気に走り回っているそうです。
「丸い地球を感じ育って」 安藤忠雄さん設計の認定こども園、大阪に | 毎日新聞
円い空を見て丸い地球を感じながら育ってほしい....
円形園舎を中心とした新園舎は2階建てで、延べ床面積は約1100平方メートル。ドーナツ状に天井が開かれ、ウッドデッキの中庭からは大きな円い空が見える。真ん中には空に向かって伸びる一本松を残し、保育室などが並ぶ回廊部分の中庭側には縁側を設置。内装や造作家具など子どもの手に触れる部分は、すべて木で統一した。(出所:毎日新聞)
記事によると、「吹き抜ける気持ちいい風、緑や木々がどの空間にいても感じられ、子どもたちはどこまでも元気に走って行きます」と園長は園児たちの様子を伝え、「円形で全員がつながっている安心感が生まれ、園舎の中に居ながらより自然を身近に感じられる素晴らしい環境です」と喜びを語っているそうです。
また、安藤氏は、 円形だと大きなスペースがもったいないという意見もあるかもしれないが、無駄なものが人間の心には大事、子どもたちに自分のまちに対する愛情を持ってもらい、地球の一員だと感じながら育ってもらえたらと語ったといいます。
ほっこりするような話です。効率性を追求するばかりではなく、その中に余白があるような環境を整えていくべきなのでしょうか。
余白とか余裕があってこそ楽しむこともできるのでしょうし、楽することも出来そうな気がします。そうあって、はじめて持続可能な社会も実現しそうな気がします。そのために色々なことを知って、それを好きになれるか否かということでしょうか。
そう思うと、どうにも今の政府を好きになることができません。どうにもいつまでも苦しみとか閉塞感にみちた社会が待っているように思えてなりません。いつまで為政者たちの自己満足のために利用されてしまうことが続くのでしょうか。
解散風が吹いているといいます。よりよい選択をするときなのかもしれません。
「参考文書」
林業を身近に 石巻移住の森さん夫妻が創業 木工品販売や体験会企画、共感育む | 河北新報オンライン