子どもへの性的虐待にまつわる事件が続いています。東京練馬区の区立中学校の校長が、元教え子の女子生徒のわいせつな画像が保存していたとして逮捕され、あの「四谷大塚」の元講師は強制わいせつなどの疑いで再逮捕されたそうです。
「顔偏差値が高かった」四谷大塚の元講師の男を再逮捕 大学時代に執筆した小説タイトルは「小学生の教え子を性奴隷にすることにした」 | TBS NEWS DIG (1ページ)
なくならない子どもへの性的虐待を防ごうと、日本でも「DBS(Disclosure and Barring Service)」制度導入が検討されているといいます。
学校や認定こども園、保育所などの施設が対象となるようです。また、公的な監督の仕組みが整っていない学習塾や予備校、こども向けスイミングクラブ、技芸等を身に付けさせる養成所などは認定によって対応することが検討されているといいます。
日本版DBSとは・意味 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD
芸能事務所においておきた性虐待の事実を鑑みると、芸能の世界においても法による「DBS制度」が適用されてもいいのかもしれません。社会的な影響が大きいだけに厳格な適用があって然るべきのような気もします。
そうなれば今問題になっている出来事も責任が明確になり、疑われる人物が社長の職に就くことも防止されるのではないでしょうか。また、対応の甘い事務所との契約を嫌うようになるのかもしれません。「タレントに非はない」という言い訳もなくなり、タレントを守ろうとするのなら、またそのファンを慮るのなら、利害に囚われることなく、事務所に強く改革を求めるようにもなりそうです。
論語に学ぶ
君子に三戒(さんかい)有り。少(わか)き時は、血気未だ定まらず。之を戒(いまし)むるは色に在(あ)り。其の壮なるに及びては、血気方(まさ)に剛(つよ)し。之を戒むるは闘(たたか)いに在り。其の老ゆるに及びては、血気既に衰う。之を戒むるは得に在り。(「季氏第十六」7)
君子 教養人には三つの戒めがある。青年期、若いときには血気が定まらず、身体の欲求が動物的である。その性欲を戒めよ。壮年期になると血気盛んで、他者の負けまいとする。その闘争欲、競争欲を戒めよ。老年期、老いては血気も衰え失うことを恐れる。その欲深、利欲を戒めよ、と意味します。
年齢に応じて人には慎むべきことがあるとの古代からの教えです。当時から比較すれば、食生活は驚くほどに豊かになり、医療も発達、また情報があふれる社会になりました。現代においては年齢に関係なく、強欲を戒め、慎むべきは慎まなければ、世の中の秩序が保てなくなっているのでしょう。
性虐待、戦争、不正行為や汚職、こうしたことが今頻発しています。
性欲、闘争欲、利欲、どれも人間の根源的な欲求なのかもしれませんが、それでもそれを自律的にコントロールしてこそ、人間社会の秩序が保たれるのでしょう。またそれを適正な動機、モチベーションとすることで社会を発展させることもできるのでしょう。
しかし、こうした欲を戒めるための法が存在しているの事実です。それでけは人は強欲になりがちということなのかもしれません。何ごとも過ぎれば処罰されるということなのでしょう。
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今話題の芸能事務所の問題も、こうした観点から眺めてみれば、その異常さが理解できます。社会的な影響が大きいだけに、厳正に対処すべき事案なのでしょう。
もし言い訳を許し、ゆるゆるになれば、社会の秩序がさらに悪化していきそうな気がします。法の支配が崩れ、悪が跋扈しかねない事態になっていくのかもしれません。今、その瀬戸際にいそうです。