楽しみにしていたラグビーワールドカップのチリ戦をテレビで観戦しようとNHKを視ると、あの事務所のスターが画面のセンターに位置取り、喋っています。ちょっと興ざめ、違和感があります。
あの記者会見の後に、加害者だった人物が好きだった言葉をインスタに投稿し、その後削除したスターが地底人にふんして名言が吐くCMが未だに流されています。
ラグビーワールドカップのアンバサダーを務め、海外メディアから批判されているあのスターが外資系保険会社のCMで保険を見直しましょうといっても何か胡散臭く感じ、この会社を信用していいのだろうかと考えてしまいます。
所属事務所の創業者が半世紀近くに渡って性虐待を繰り返し、事実認定されました。しかし、その問題の全体像とその真相は未だに解明されていないようです。また、メディアとの癒着が指摘され、圧力と忖度が疑われています。また、その解決への道筋もまだクリアになっていません。
創業者による性虐待の被害者が苦しむ一方で、アイドルには非はないと言い訳し、公共の電波に乗ることがいいことなのだろうかと感じます。
理不尽過ぎるような気がします。ジャニーズでなければ、今頃、断罪されていたということはないでしょうか。
海外記者がジャニーズ会見に見た日本の｢大問題｣ 日本が陥っている状況が問題を大きくさせた | メディア業界 | 東洋経済オンライン
モンスターになる前のジャニー喜多川は、たんに心に問題を抱えた人間だったのかもしれない。彼のそうした問題が早い段階で見抜かれ、有罪判決や治療によって、キャリアの早い段階から正しい方向に戻っていたなら、その素晴らしい才能を善のためだけの力として発揮できたかもしれない。（出所：東洋経済オンライン）
見て見ぬふりほど恐ろしいことはないのかもしれません。見過ごしがなければ今頃はどんな社会であったのかと考えてしまいます。そう思うと、メディアの罪は大きいのでしょうし、今なお変われずにいるのなら、もっと大きな罪を犯していることにならないでしょうか。
論語に学ぶ
子貢（しこう）曰わく、紂（ちゅう）の不善は、是（かく）の如くの甚（はなは）だしからず。是（ここ）を以て、君子は下流に居るを悪（にく）む。天下の悪 皆（みな）帰すればなり。（「子張第十九」20）
弟子の子貢が「紂王の不善はそれほどひどいものではなかった」といい、「君子 教養人は悪徳者とみなされることを嫌う。世の悪という悪は、すべてその人のしたことになってしまうからである」といいました。
「紂王」は殷王朝第30代 最後の王。「史記」やその他の所伝によれば、体力、知力に優れていたが、愛妾の妲己（だっき）に溺れ、酒池肉林にふけり、微子や箕子、比干たちの諫言を退け、民心の背くところとなり、周の武王の討伐にされ、殷王朝は滅亡したといわれます。
ラグビーでは、危険なプレーや悪質なプレー、重い反則を繰り返すとイエローカードが提示され、「シンビン」となって10分間退場しなければならなくなるといいます。
昨日の試合でも「シンビン」処分が多々ありました。
スポーツにあってはルール違反があればペナルティを受けることになります。体を激しくぶつけ合うラグビーはよりルールが厳格なのでしょうか。サッカーでは警告で済む反則も、ラグビーでは一時退場です。
フェアプレイ
スポーツにおいては、フェアプレイが求められます。とくにラガーマンにおけるそれを守ろうとする姿勢は敬服に値すると思います。
フェアプレイとは、公平で安全のために作られたルールを理解し、それを守り、また、レフェリーを信頼し、その判断を尊重し、敬意をはらう。そして、対戦相手にも敬意をはらい競い合う。フェアプレイが守られるから、安全に楽しくプレイでき、そしてそこから喜びや感動が生まれるのではないでしょうか。
フェアプレイが求められるのは何もスポーツの世界だけではなく、企業活動や社会生活全般においても同じ様な気がします。
フェアプレイに徹したとしても反則を犯してしまうこともあるのでしょう。時にそれが危険なプレイであることもあるのでしょう。そのときは潔く一時退場すれば、いいだけのことです。ルールを守っていれば、誰からも批判されることはないのでしょう。守ることができなければ一発退場で、フェアプレイに欠けた我が強く、私欲の人とみなされるだけです。
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ジャニーズとそれにまつわる出来事はフェアプレイからほど遠く、あまりにもドロドロしている気がしてなりません。それが今、白日の下にさらされています。もう何の言い訳もなく、ただ公明正大に処置していけばよいだけではないでしょうか。それができていないから騒がしくなるだけなのでしょう。
