「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【IPCC統合報告書】止めらない、止められない温暖化、今すべきこと

 

 国連のIPCC 気候変動に関する政府間パネルが、統合報告書を9年ぶりに公表し、温室効果ガスの排出をこのまま継続すると「短期のうちに世界の平均気温の上昇は1.5度に達することが推定される」と指摘したといいます。

IPCC「大幅削減の手段ある」 1.5度目標、望みつなぐには:朝日新聞デジタル

「まだ達成の道はある」と希望を残しているそうです。

 報告書は、温室効果ガスを大幅に削減する手段をすでに手にしていると指摘、この10年間の行動が、人類と地球の未来を決めるといいます。

バックキャスト

 2050年からのバックキャストで新たな経営計画を、日本郵船が策定したといいます。

人口・グローバル化・テクノロジー・環境のメガトレンドの観点から2050年の世界を予見し、事業への意味合いを抽出、 27年3月までの中期経営計画を練ったそうです。

 新興国中産階級が増加し、世界経済の重心がアジア寄りに移動する一方で、米中対立など不確実性が増し、グローバル化のペースが鈍化するといいます。

 また、脱炭素化の技術が加速度的に進歩し、サービスやソフトウエアの需要が増加すると予測、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)が浸透し、また脱炭素化が進むとしています。

「2050年のリアル世界」 日本郵船が中期経営計画で描き出した:日経ビジネス電子版

 記事によれば、郵船はこれらのメガトレンドから「脱炭素化やICT(情報通信技術)の進化でバリューチェーンが変わり、運ぶモノや運び方、収益源は変わらざるを得ない」としたといいます。これまでの化石燃料などの天然資源の世界需要は減少し、その代わりに、バイオ燃料バイオマスの輸送が増えると予測しているそうです。

(資料:日本郵船

 2050年はもっと違った世界になっているような気がします。

 現在のメガトレンドで示されているものはおおよそ2030年までにその方向性が確定するのではないでしょうか。

 その上で、2050年をどんな世界にして迎えるようとするのか、それを描き切れていないような気がします。

論語に学ぶ

子張問えらく、十世知る可(べ)きか、と。子曰わく、殷(いん)は夏(か)の礼に因り、損益する所知る可し。周は殷の礼に因り、損益する所知る可し。其れ或いは周に継ぐ者、百世と雖(いえど)も知る可きなり、と。(「為政第二」23)

 子張が、このあと次々とあらわれるであろう十の王朝のことを、今から予知できるでしょうか、と質問をしました。孔子は、お前のよく知っている礼楽をみても、それは予知できるはずではないか。殷の王朝は前の夏の王朝の礼制を受け継いだ、そのさい廃止(損)あるいは付加(益)したところはわかるはずだ。周王朝の殷王朝に対する関係も同じことである。したがってもし周を継ぐ王朝がいろいろでてくるにしても、十代どころか百代さきのことまで予知できるはずではないかと答えました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 大雑把な空論ではなく、文明生活の中心に礼を据え、合理的に推論しようとする姿勢が見えるといいます。

 江戸期の儒学者荻生徂徠は、今から過去を省みて損益されたところを明らかにするというのではなく、周が殷の礼において損益すべきところは、すでに殷王朝の過程において予知できたはずだ、だから周という今の時代においても十代後の王朝の礼制もまた必ず予知できるはずと指摘したといいます。

 徂徠の言葉を借りれば、現在の世界にあって、損益、廃止すべきと新たに付加すべきことはもうわかっているともいえそうです。

2050年

 2050年、地球の温暖化は止まり、気候が穏やかになり、異常気象の発生頻度が低下するようになった。国際協力によってその危機は回避され、そうすることができるようになったことで、紛争も激減し、核武装の必要もなくなった。世界は再びフラット化へ向かい始め、グローバルサウスの発展とともにサスティナビリティが実現されていくようになった。宇宙開発は過熱、宇宙空間での居住の可能性も開けてきた。

 そんな未来が、2050年であってて欲しいものです。

 今の日本政府の真逆な行動をすれば、それに近づいていくような気もします。