「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

育たぬ人財、問題ばかりの電機メーカ、東芝はブランドを守れるか

 

 総合電機メーカ、かつては世界をリードした企業たち。しかし、いつしかその名声は失せ、日本が凋落していくの一因を作ったのかもしれない。

 その総合電機メーカがまた様々な問題を起こしている。東芝の会社分割、ベンダーロックイン問題、三菱電機の品質不正....

 総合電機、東芝はこの先どうなっていくのだろうか。

ビジネス特集 東芝、どこに向かうのか | NHKニュース

 東芝は昨年11月、会社を3分割にすると発表したが、今月に入ると急遽、これまでの3分割案を2分割案に修正した。そればかりでなく、3つの事業を売却するという。

 

 

 不正会計問題で揺れた2015年、2017年には原発事業で巨額損失が発覚し、東芝は経営危機に陥り、次々と事業を売却していった。メモリ事業、医療事業、白物家電事業、テレビ事業、パソコン事業等々。それでも終わらない経営改革。物言う株主を説得できずに、その要求はエスカレートしているようにも映る。

東芝の反省点>
ービジネスモデルの異なる事業の共存
ー相乗効果を生まない事業が存在していることにより経営の複雑性が上昇
ー出身母体が異なる経営陣が経営をリードするため意思決定に時間がかかっていた
ー各事業のみに関心のある投資家も『東芝株』に投資する以外の選択肢がない

(出所:NHK

 会社は肥大化したが、それをマネジメントできる経営陣がいなかったということなのだろうか。逆にマネジメントが正しく機能していれば、会社が肥大化しても、会社は適正に持続的に成長し、また、株主還元も充分には果たせていたのかもしれない。しかし、肥大化し過ぎれば、恐竜のように環境変化に対応できずに絶滅することになるのかもしれないが。

 

 

論語に学ぶ

舜(しゅん)に臣五人有りて、天下治まる。武王曰わく、予に乱臣十人有あり。

孔子曰わく、才難し、と。其れ然らずや。唐(とう)虞(ぐ)の際より、斯に於いて盛んなりと為すも、婦人有ありて、九人なるのみ。天下を三分して其の二を有(たも)つ。以て殷(いん)に服事す。周の徳は、至徳と謂う可(べ)きのみ。(「泰伯第八」20)

「舜に五人のすぐれた臣がいて、天下がよく治まった。周の武王は、私には十人のすぐれた臣がいると言った。孔子は「才能のある人は、なかなか得難い。そのとおりではなかろうか。唐、虞の時代から下って、盛んな御世(みよ)になり、婦人一人を引けば、九人の能臣であった。天下を三分したとすると、その三分の二を支配下に置きつつも、殷王朝に服従していた。周の徳性は、至徳と評価すべきである」という。

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「武王」、殷王 紂(ちゅう)を倒して周王朝を建てた。

  武王の父の「文王」の時代、周は版図を広げた。そのころ諸侯は、暴虐の紂王に見切りをつけ、次第に文王を頼るようになる。それでも文王は殷に対し反旗を翻すことなく、臣下であり続けた。一方、内政では仁政を敷きつつも、軍師に呂尚太公望)を迎え、版図を広げたという。

 その文王が老齢で没すると、「武王」は弟の周公旦や呂尚とともに、その事業を継承する。やがて、武王は、暴虐な振る舞いが収まらない主君 紂に対して反旗を翻し、殷周革命を起こす。ついに、牧野の戦いで、紂は大敗し滅亡、武王が天子となる。武王の父「文王」、弟の「周公旦」とともに聖人という。

 人財を得れば会社は大きく発展し、その人が去ると変化が生じる。企業の業績はどう足掻いても経営者次第なのだろう。経営者の能力以上に結果が出ないことは常だ。

 危機に陥った企業はまずは構造改革、これが常套手段なのだろう。

 東芝ブランドが消えていくことは残念なこと。ブランドを守ることができる逸材を育てることが、急務になっているようだ。それは何も東芝ばかりではないのだろう。