日韓首脳会談が開かれ、関係が正常化に向かうといいます。隣国が反目し合うよりは協力し合った方が遥かに有益なはずです。
韓国の尹錫烈大統領の英断に感謝すべきなのでしょうか。尹大統領は、この首脳会談を実現させるために、見事な戦略を成功させたとと英BBCは指摘します。
日韓首脳会談、友人のような敵「フレネミー」同士の「節目」の対面 - BBCニュース
元徴用工問題の解決策を提示した尹大統領は、韓国内では「韓国史上最大の屈辱」と批判を受けながらも、過去の出来事を脇に置き、実利をとったようです。
世界における韓国の地位の新たな章を告げるものになるとBBCは指摘します。
米国は尹大統領を国賓として迎え、日本は、5月に広島で開催されるG7 主要7カ国首脳会議に招待するようになるそうです。
ウィン・ウィン
会談後の共同会見で、尹大統領は「未来志向の議論ができる土台が作られた」と会談の成果を強調し、両国の国益は「ゼロサムゲームではなく、互いにウィン・ウィンできるものだ」と語ったといいます。
日韓首脳、関係正常化へシャトル外交再開 経済安保対話も創設 | ロイター
かつて、ビル・クリントン米大統領が述べたといわれる文言を思い出します。
社会がより複雑になると、地域や国境という枠を超えて相互依存の網の目のような関係もより複雑になり、人々が自分の利害を考える上で、誰かが獲得して誰かが失うゼロサム的な解決方法ではなく、Win-Winな解決方法を見つけざるをえなくなる。なぜなら、相互依存が増していくにつれて、我々が向上するのと同じように、他の人々も向上するからである。従って、すべての人が得られる方法を見つけ出し、お互いに思いやらねばならない。（参考：Wikipedia）
米国でも
米国での銀行破綻を発端した信用不安の連鎖が危惧される中、米国の銀行ファースト・リパブリック・バンクの財務安定化を図るため、米政府の調停で、複数の大手銀行が合計で約300億ドル（約4兆円）を同行に預け入れることで合意したといいます。
ファースト・リパブリック、複数銀行が300億ドルを預金へ - Bloomberg
記事によれば、参加する銀行にはJPモルガン・チェースやシティグループ、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーなど11行。
預金者が地銀で取り付け騒動を起こすなど金融システムを揺るがしかねない事態の収束を図るといいます。
銀行監督規制当局は歓迎の意を示し、「大手銀行グループによる今回の支援表明は最も歓迎すべきもので、銀行システムの強靭さを示すもの」との共同声明を発表したといいます。
信用不安の連鎖による金融危機を引き起こしてはならないという強固な意志によるものなのでしょうか。危機が起きれば、破綻する銀行ばかりでなく、みなが損すると考えてのことでしょうか。凄いことだと感じます。
論語に学ぶ
益する者の三楽（さんらく）あり。損なう者の三楽あり。礼楽（れいがく）を節するを楽しみ、人の善を道（い）うを楽しみ、賢友（けんゆう）多きを楽しむは、益するなり。驕楽（きょうらく）を楽しみ、佚遊（いつゆう）を楽しみ、宴楽（えんらく）を楽しむは、損なうなり。（「季氏第十六」5）
益する者には3つの楽しみがあり、損なう者にも3つの楽しみがあると孔子はいいます。正統な礼楽をほどよく楽しみ、他者の善行や美点を褒めることを楽しみ、賢明な友人が多いことを楽しむ、これは有益である。しかし、贅沢な楽しみ、気ままに遊びに熱中しての楽しみ、酒色に溺れての楽しみは、有害であると意味します。
危機に陥ると不思議に救済する人が現れるといいますが、そんな光景を目の当たりにしているのでしょうか。救済ができる人たちが損することはなく、長い目で色々な益を授かることになるのでしょう。
未来志向
韓国の若い世代は日本の文化に親しみを持つ人が多く、逆に日本の若者も同じ。若い人たちが抱くイメージや意見はすごく大きく、そういう雰囲気をじわじわと偉い人たちも感じているのではないか。（出所：NHK）
ある政府関係者が、日韓の関係正常化の解決策が示された背景について、政府関係者がそう述べたといいます。尹大統領も記者会見で同じようなことを述べていたような気がします。
日本政府にはこうした思考はあるのでしょうか。
「参考文書」
｢韓国がこの案で? すげえな｣｢徴用｣めぐり舞台裏 日韓首脳会談は | NHK政治マガジン
5年ぶり日本での日韓首脳会談、融和ムードを演出も「成果」と言える？ 双方国内に火種が…：東京新聞 TOKYO Web
