日銀が政策決定会合で、政策修正に動くのかが焦点となっているといいます。また黒田総裁の任期も近づき、後任人事に注目が集まっているようです。
日銀正副総裁人事案、2月10日に国会提示で政府調整=関係筋 | ロイター
これまで通りの量的緩和を維持していくのか、それともタカ派色の強い人物が選ばれることになるのか、いずれにせよ、選ばれし人は、火中の栗を拾いに行くようなものではないでしょうか。最適、最善を選択して欲しいものです。
異次元緩和の10年の評価は
この10年余り「インフレ目標政策」が継続されてきましたが、この政策への評価によっても選択は変わるのかもしれません。
政策の効果はあったのか、それとも新たな「失われた10年」だったのか、どのような評価になるのでしょうか。
インフレ目標政策の10年 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
何のために、日銀の政策があるのだろうかと考えます。景気が良くなって、人心が一新し、将来不安の緩和につながるのが理想なのかもしれません。
「慎重を期して機会を逸失することこそが「失敗」となる」といいます。
「リスクを犯さないこと」の機会費用の方が失敗のコストより大きくなるということを論拠にしているようです。
リスクを恐れて、政策を転換させることを躊躇い、それによる機会損失がどれだけあったのかという評価があってもいいのかもしれません。
論語に学ぶ
君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩る。(「里仁第四」16)
「君子」教養人は道理を理解し、「小人」知識人は損得を理解すると意味します。
知識人が、経済の損得だけを論じているようでは、人心が変わることはないのかもしれません。道理をわきまえて、ことに対応しなければ、景気の「気」、人々の心に変化は生まれないのでしょう。それができるのが、「君子」教養をもった人ということでしょうか。
「正解」のない時代に求められること
オールドタイプは常に「正解」を求めたがるが、しかし、世の中は必ずしも正解が生き残るわけではない。
ロジックは逆で「生き残ったもの」が「正しい」のだ。であれば、データと論理を積み上げて正解を求めるよりも、多様な取り組みを通じて「生き残りに賭ける」ほうがスジが良いということになる。(出所:ダイヤモンド・オンライン)
インフレターゲット、その目標を定めたがゆえに、その未達が続けば、その解決のための「正解」が気になるようになるのかもしれません。色々な施策は打ってみるものの、それが似たようなものであれば、同じような効果しか現れないのは当然なことのように思われます。
そもそも何のための目標だったのかと問わなければ、その意義は薄れ、どんどん苦しい状況になっていくのではないのでしょうか。
人選
ある意味で、人の目利きほどあてにならないものはないのかもしれません。そこに何らかの忖度が入ればなおさらのことです。その人に問題を解決する能力があるか否かは、そんな簡単に見分けがつくものではないのでしょう。
さて政府は日銀総裁の後任人事でどんな人選となるのでしょうか。
「参考文書」
【山口周】が選ぶ「コロナ後の世界をしなやかに生きるために読んでおきたい20冊」 | DIAMOND愛読者クラブ | ダイヤモンド・オンライン