「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【円高と株安】転じる市場動向、日銀も政府も何もしない方がよいのではないか

 

 日本がまるで世界のリスクの中心地になっていないかと感じます。政府はウクライナ侵攻、米中対立に乗じて、東アジアの地政学リスクを高めようとしているようです。

 日銀が先月、YCC イールドカーブコントロール(長短金利操作)政策を修正し、市場関係者に動揺が広がっているそうです。10年近くに及ぶ日銀の異次元緩和がグローバル市場の不確実性の震源地になっているといいます。

「最後の一手」黒田日銀、YCC撤廃とETF再強化か: 日本経済新聞

 足元では国債の利回りが0.5%を超えるようになり、円高に動き、株価は下落しています。日銀の金融政策決定会合に注目が集まっているようです。

実態にそぐわない長期金利の水準を強引に維持しようとする、長短金利操作の破綻が刻一刻と近づいていると多くの市場参加者がみている。市場に嵐が迫っている。(出所:日本経済新聞

 

 

増大するリスク、募る不安に不満

 政府や日銀が余計なことを行うがゆえに、余計な仕事が増え、それが起点となって、リスクが増大し、また、不安や不満が募るのではないでしょうか。

「パンドラの箱」開けてしまった日銀、市場はさらなる政策修正を警戒 - Bloomberg

前月の日銀の政策修正は、むしろ市場機能を悪化させている。さらなる修正観測による金利上昇圧力に対して、日銀は市場の流動性を犠牲にしながらも、金利上限を守るために国債買い入れを増やさざるを得なくなっているためだ。(出所:ブルームバーグ

論語に学ぶ

「述べて作らず、信じて、古(いにしえ)を好む」と論語「述而第七」1にあります。

 祖述、昔からあることを伝えるが創作はしない。古典や古制、古道を好むと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子は自分の方法をのべているだけであって、その方法によって生れた彼自身の仕事の中にどのような新しさがあるかは、私たちが発見すべきことであると桑原武夫は解説します。 

 古いものを精根こめて学びとろうとするうちに、もし当人に独異の才能があれば、それは必ず表にあらわれるとし、みだりに幼稚な「独創性」をあわてて発揮しようとはしないことでもあるといいます。

 

 

「斬新」、「異次元」、「サプライズ」、そんなことを求めること自体が幼稚な「独創性」への憧れの現れなのかもしれません。

怠惰のススメ

「仕事はよいものだという信念が、恐ろしく多くの害を引き起こしている」、

 バートランド・ラッセル著「怠惰への讃歌」の冒頭にそうあるそうです。「教養のない人はヒマを有意義に過ごせないので、意味のない仕事をやろうとしてしまう」と、山口周氏が解説しています。

労働生産性が向上して、それでも同じように働けば、過剰な生産と失業が生まれる」とは、鋭い指摘かもしれません。

  効率化の仕事をしていると、実は仕事をなくそうとするのが仕事ではないかと錯覚することがあります。合点のいく言葉です。

 政府も日銀も良かれと思ってするのでしょうが、思い切って何もしないのも手なのかもしれません。その方が自然におさまるところにおさまっていくのではないでしょうか。

 余計なことを閣議決定しごり押しするのではなく、国会で国としての「あるべき姿」を永遠と論議することの方が有意義なことになるのかもしれません。

 

「参考文書」

【山口周】が選ぶ「コロナ後の世界をしなやかに生きるために読んでおきたい20冊」 | DIAMOND愛読者クラブ | ダイヤモンド・オンライン