「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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ツイッターCEO辞任、イーロン・マスクの改革は失敗だったのか

 

 イーロン・マスク氏が米ツイッターのCEOを辞任すると表明しました。ただ辞任は後継者を決めてからになるそうです。

 また、マスク氏は、大規模なコスト削減に着手する前のツイッターの財務状況を明らかにし、キャッシュフローは30億ドル(約3950億円)のマイナスとなる方向だったと説明したといいます。

ツイッター、キャッシュ大幅マイナスだった-マスク氏がリストラ説明 - Bloomberg

 記事によれば、過去5週間に気が狂ったようにコスト削減に取り組んだのは、「この会社を例えるならば、エンジンが炎上して制御を失い、高速で地面に向かって突進する飛行機に乗っているようなものだ」と、マスク氏はツイッターの「スペース」で語ったといいます。

 

 

ツイッターに改革は必要だったのか

 ツイッターの売上高は30億ドル程度で、バランスシート上の現金は約10億ドルになる見込みとマスク氏は説明し、「ツイッターは来年には大丈夫になると思う」と語り、キャッシュフローはブレークイーブンを「ほぼ」達成するとの予想を示したといいます。

 単に企業再建の常套手段を取り、まずは安定飛行できるようにはできたのでしょうか。ただ再建の方向性を社会が受け入れなかったのかもしれません。潔く退き、後任に後を託すことも間違った選択肢ではないのでしょう。

 社会インフラになったツイッターがゆえ、大衆の声に耳を傾けざるを得なかったということなのでしょうか。

テスラもまた改革の時を迎えているのか

 一方、マスク氏が経営するテスラの方でも株価が下落し、物言う株主が批判を始めているそうです。

マスク氏、テスラ株主の批判をやゆ-株価低迷で経営巡り懸念高まる - Bloomberg

テスラはリーダー不在の状態とし、「改革の時」。(参考:ブルームバーグ

 すべてが順調であれば、こうした声が上がることもないのでしょうが、一度悪評がついてしまうと、今まで評価されていた卓越したリーダーシップも、地に落ちるということでしょうか。汚名を挽回しなければならないのでしょうが、功を焦れば深みに陥るおそれもありそうです。今後のマスク氏の行動が注目されます。

 

 

論語に学ぶ

柳下恵(りゅうかけい) 士師(しし)と為り、三たび黜(しりぞ)けらる。人曰わく、子未だ以て去る可からざるか、と。曰わく、道を直(なお)くして人に事(つか)うれば、 焉(いず)くに往くとして三たび黜けられざらん。道を枉(ま)げて人に事えんや。何ぞ必ずしも父母の邦を去らん、と。(「微子第十八」2)

 賢者といわれる柳下恵は裁判官になり、三回免職された。ある人が「それでも、まだこの国を去らないのか」と言ったところ、「正道を踏んで君主に仕えるなら、どの国に行ってとて、三度もの免職にならないことがあろうか。邪道を踏んでまでして君主に使えるならば、どこの国に行っても免職にはならない。しかし、そこまでして仕えることがあろうか。どうして祖国を立ち去る必要があるだろうか」と答えたと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 道を直そう、正そうとすれば、そこには変革なり、改革が伴うのでしょうか。ただ、人は変化をあまり好まないといわれます。人気を得ようとすれば、大きな変化は求めるべきではないのかもしれません。しかし、それによって道が曲ってしまうのかもしれません。

 

 

長く続いた黒田体制

 日銀の黒田総裁が市場を驚かせ「黒田ショック」とも言われています。これまで掲げきた目標の達成のためというよりは、違うところに目的があるのではないでしょうか。

【コラム】市場驚かせる達人、黒田総裁最後の一撃-リーディーとモス - Bloomberg

 同じ政策を10年近く長く続けましたが、結局、目標を達成できずに退任になりそうです。経済活動を正そうとして始まった異次元緩和も、効果がなかったとなれば邪道だったということなのでしょう。長過ぎることの弊害なのかもしれません。

 やはり適正な任期を設け、その延長は認めるべきではないのでしょう。特に重要な役職においてはそうなのでしょう。