米テスラのCEOのイーロン・マスク氏が過激とも思える内容のツイートしたようです。
トウシルによると、「米国経済はリセッションに近づいているのか」との質問に対し、セッションに陥ることは「有益だ」との考えを示したそうです。
「あまりにも長い間、愚か者にカネの雨が降っていた」というイーロン・マスクの警鐘 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
「あまりにも長い間、愚か者にカネの雨が降っていた。いくつかの倒産が起こる必要がある。また、コロナ禍におけるステイホームのようなものが人々を騙し、実際には一生懸命働く必要がないと思わせている。怠惰な目覚めがやってくるだろう」(出所:トウシル)
マスク氏は過去の経験からすると、リセッションは12ヶ月から18ヶ月続くと予想し、本質的にキャッシュフローがマイナスの企業(つまり価値を破壊している企業)は、リソースの無駄遣いを止めるために滅びる必要がある」と続けたそうです。
極端な言い分にも聞こえますが、正論を単刀直入に言っているだけかもしれません。
論語に学ぶ
子路(しろ) 成人を問う。子曰わく、臧武仲(ぞうぶちゅう)の知、公綽(こうしゃく)の不欲、卞荘子(べんそうし)の勇、冉求(ぜんきゅう)の芸の若(ごと) き、之を文(かざ)るに礼楽を以てせば、亦(また)以て成人と為す可し。曰わく、今の成人は、何ぞ必ずしも然(しか)らん。利を見て義を思い、危うきを見ては命を授け、久要(きゅうよう) 平生(へいせい)の言を忘れざれば、亦以て成人と為すべし、と。(「憲問第十四」12)
弟子の子路が「成人」人格の完成者とはどのようなものであるかと質問しました。孔子は「臧武仲の智謀、孟公綽の無欲、卞荘子の勇猛、冉求の才芸、そのどれかがあった上で、さらにその行き過ぎを礼で整え、偏りを楽で調整するようになれば、人格の完成者と言える」と答えたそうです。さらに「しかし、今日の人格の完成者は、そこまでに及ばなくとも構わない。利益を前にしても道義を優先させ、危機のときには生命を捧げる覚悟をもち、若いころにした古い約束について、その後になっても忘れない。そのようであれば、同じく人格の完成者と言うことができる」と言ったといいます。
「成人」、他者より秀でる才を育み、またそれを徳によって己の人格としている人のことをいうのでしょうか。
最近のマスク氏の発言が少々過ぎているようにも聞こえます。在宅勤務については、最低でも週40時間のオフィス勤務を求め、さもなければ退社をと発言したと報道されています。
マスク氏のオフィス復帰要求、新たな現実に逆行-社員の声に耳傾けず - Bloomberg
「リモートの疑似オフィスなどではなく、実際に同僚がいる場所でなければならない。出社しない場合は退社したものと見なす。職位が上であればあるほど、存在が目に見えるようにしなければならない」と指摘した。(出所:ブルームバーグ)
また、マスク氏は米経済について悲観し、10%程度の人員削減が必要との見解を示したとも報じられています。
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「利を見て義を思い、危うきを見ては命を授け、久要(きゅうよう) 平生(へいせい)の言を忘れざれば、亦以て成人と為すべし」
マスク氏は「成人」なのでしょうか。言葉は、あまり過ぎるべきではないのでしょう。過激になるほど本人の意思とは別に誤解を生みます。
「参考文書」