「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【ドーハの奇跡】ドイツ戦に歴史的な勝利、日本チームは目標を叶えるのか

 

 奇跡の逆転勝利、サッカーのワールドカップカタール大会1次リーグの初戦で、日本がドイツに勝利しました。

ドーハの悲劇」から30年目、そのドーハが歓喜の場となったようです。「ドーハの奇跡」として語られていくことになるのでしょうか。

ドイツに「大きな試練与えた」 E組混戦と米メディア | 共同通信

 ジャイアントキリングとなる1勝、ここまで実に長い時間を費やしたものです。諦めずに続けてきた関係者の勝利でもあるのでしょうか。目標であるベスト8入りに期待が持てそうです。

 

 

 ワールドカップへの出場もままならず、世界から大きく引き離れていた日本チームの実力がようやくトップレベルに近づいたのでしょうか。いつの日か、ワールドカップで優勝なんて妄想を抱いて、続けてきた強化が身を結んだのかもしれません。

 大きな夢も、確実に実現できる目標を積み重ねた先に達成に近づくと思わせてくれる瞬間でもあります。

 ワールドカップへの出場の目標から始まり、予選リーグ突破が次の目標となり、その実力をつけてから、次の目標、決勝トーナメントでの1勝をと、目標をステップアップさせてきたことがよかったのでしょうか。

 長い年月の間に、選手、監督は代われど、その目標は消えることなく共有され、選手層を厚くし、育成強化を図ってきたことがようやく報われたのでしょう。ただその道はまだ半場で、この先、停滞の時期を迎えることはあるのかもしれませんが、その時々の状況を見ては計画を修正しつつ、これからも同じ道を歩んでいくのでしょうか。

 決勝トーナメントに向けて、次のコスタリカ戦にチーム一丸、全力で挑んで何としてでも勝利して欲しいと願わずにはいられません。

 

 

 スポーツと政治を比較することはナンセンスなことなのでしょうが、議員さんたちも、こうした良き事例を学んで、それを活かす方法を考えてもらいたいものです。

 多くの国民が歓喜に溢れ、希望を感じるような政治はできないのでしょうか。

防衛費拡充へ調整本格化 与党、法人・所得増税を視野:時事ドットコム

 記事によれば、防衛費増額のため、与党内では基幹税目である法人税所得税に加え、たばこ税、金融所得課税の計4税目の増税論が浮上しているといいます。

 実力を兼ね備わらないうちに高い目標を掲げ、国民を苦しめるようなことをするのは常軌を逸していないでしょうか。

 首相にも何か大望はあるのかもしれませんが、それを自分の任期中に完成させようとせず、それをみなと共有できる目標に変え、その目標を順次ステップアップさせ、首相の座を誰かに譲ったとしても、続けていくことができるようにすべきではないでしょうか。そうしたゆとりができれば、聞く力が高まり、優先順位の設定が変わり、今すべきことに集中できるようになるのかもしれません。

 

 

 問題が次々と出現するということは実力が備わっていないということに他なりません。実力以上のことをしようとすれば、自分以外のみなを苦しめるだけです。首相はそのことに気づきべきなのでしょう。

論語に学ぶ

曾子曰わく、士は以て弘毅(こうき)ならざる可(べ)からず。任 重くして道 遠ければなり。仁 以て己が任と為す。亦(また)重からずや。死して後已(や)む。亦遠からずや。(「泰伯第八」7)  

 弟子の曾子の言葉で、「士」であるなら、大らかで強い意志を持たねばならない。その任務は重く、その道は長く遠く達成ははるかだからである。仁の完成を己の任務とする。なんと重いことだろうか。死ぬまで努力を続けなければならない。なんと遠いことだろうかと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

「仁」、現代においては、格差がなく、より包摂的な社会のことをいうのでしょうか。そんな社会に近づいていけば、苦しめられることも少なくなり、みなが将来に希望を持つのかもしれません。

 しかし、そうした理想を思い求めることは長く遠い道をあゆまねばならない。生涯現役を通せればいいのかもしれませんが、どこかで次の世代に譲ったとしても、「仁」の追求という目標を違えてはならないということでしょうか。

 

 

 スポーツを見ては感動するのも、選手たちのそのひたむきさによるのかもしれません。その試合に勝つという強い信念、ルールを守り、審判と相手チームに敬意をはらい、時にずる賢いこともするけれど、フェアプレイに徹する、そういう姿があっての勝利だから感動を覚えるのでしょうか。

 議員さんにも、こうしたスポーツマンシップやフェアプレイを学んで欲しいものです。

 大言壮語、実力に合わない大きなことを急いでやろうとせずに、できることに徹するべきなのでしょう。

 急ぐばかりに道を間違えては何の意味もなく、害悪になるだけです。

 森保監督の采配は見事でした。後半、富安選手を投入し、3バックに陣形を変えたことで守りが安定し、攻撃が活性化しました。

 首相にはこんな采配は無理なことなのでしょう。スポーツ界においても結果を出せない人は任期途中でも交代になることは多々あります。そろそろ潮時が近づいているのかもしれません。

 

「参考文書」

ワールドカップ:ドーハの悲劇「当時はあれが限界だった」…日本代表元監督ハンス・オフト氏、75歳の述懐 : 読売新聞オンライン