「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

なぜ首相は耳を閉ざしたのか、反対の声をあげる産業界、経済界、そして弁護士

 

 政府が検討している新たな自動車関連税の「走行距離税」に対して、日本自動車工業会が異例の強い言葉で反論したそうです。

 EVなど電動車の普及により燃料税収が減少することが想定されることを理由にして、政府は自動車関連税制を今後どうするのかと議論を始め、その中で「走行距離税」が議題に上がっています。

「てっとり早く取れる所から取る…ではなく」走行距離税への自工会の反論がごもっともすぎた - 自動車情報誌「ベストカー」

 記事によれば、この15年間で約1兆円減った燃料課税の穴埋めと、増加する道路やトンネルの補修にかかわる維持費を確保したいという思いがあるといいます。

 これに対して、「国民的議論もないまま、拙速に走行距離課税といった措置を導入することに対しては断固反対したい」と、永塚自工会副会長は述べ、「電動化による燃料税収の減収分を、手っ取り早く取れるところからとりたいといった局所的な決め打ち、先行増税ではなく、ユーザーの皆さまが納得できるかたちでの、国民的議論をお願いしたい」と語ったといいます。

 

 

 また、自工会の豊田会長は、「さまざまな局面でお金が必要だという事情はよくわかります。そのことをしっかり踏まえたうえで、各省庁の綱引きではない税制度の構築をお願いしたい。いったい日本をどうしていきたいのか、どういう方向へ持っていきたいのか。そういう腰を据えた骨太の改革を、自動車ユーザーも国民であるという認識のもと、進めていただきたい」と述べたといいます。

 国民の目線で考えてくれ、こうした声が上がること自体、尋常ではないのでしょう。もしかして首相も国の先々を憂いているのかもしれませんが、選択を誤れば、それは横暴となり、傲慢さの極みになり、圧政です。首相が批判する国と何ら変わりがなくなってしまいます。

論語に学ぶ

己の欲せざる所は、人に施すこと勿(な)かれ。邦に在りては怨み無く、家に在りても怨み無し、と。(「顔淵第十二」2)

 弟子の仲弓が「仁」とは何かと問い、孔子は政治においても、民を使うにあたっても、慎重に、綿密に準備し、そうした態度や気持ちを忘れないことと教え、「自分が望まないことは、他人にするな」、そうあれば、政治にあっても、また、家にあっても、他人からは怨まれることはない。家においてもまた同じである」といったといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

「己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ」、自分がそうされたくないと思うことは、他者にそうしてはならないということでもあるのでしょう。

 

 

 全国の200人以上の弁護士が参加し、「全国統一教会対策弁護団」を結成、被害者からの相談に基づき、教団側との交渉や被害回復に向けた訴訟に取り組むといいます。

「このままでは統一教会が救済されるだけ」「被害者の声聞いて」 元2世信者ら、救済法案の見直し訴え:東京新聞 TOKYO Web

 一方、政府が成立を目指す「被害者救済法案」は、被害実態と乖離し、被害者救済になるのではなく、旧統一教会が救済されるだけとの意見があり、見直しを求めた声を大きくなっているといいます。

 政府が実行しようとする多くの事柄に、反対の声が多くあがります。

 国民の声を無視して、己の欲しいままに振舞うことが岸田首相の望みなのでしょうか。それとも与党のためなのでしょうか。己の保身なのかもしれません。

 異常な事態のようです。危機的な状況が近づいているようにさえ感じます。

 

「参考文書」

教団被害救済へ全国弁護団結成 200人超、交渉や訴訟:東京新聞 TOKYO Web